【エネルギー管理士】(電気分野)独学で突破できる勉強法と合格できない勉強法

エネルギー管理士

 

 エネルギー管理士(電気分野)に3年かかって合格できた管理人が考える独学での勉強法について説明します。エネルギー管理士の出題範囲すべてをまともに勉強すると相当な学習時間の確保が必要です。普通の人なら最後までできないと思いますので、私の考える学習法をご説明します。

合格できない勉強法

 先にダメと思うパターンを紹介します。自分に当てはまっていないか見てみてください。(もちろん全否定ではありませんが、多くがこうなっていると思います)

電験でも同じですが、10年受験しても合格できない人もいます。諦める人もいます。私の周りでもたくさんいらっしゃいます。

エネルギー管理士は難易度が高い

これは言うまでもないです。

これに対して、やってはいけない(と管理人が考える)勉強法は

全範囲を1から勉強する

ことにあると思います。

管理人の考える「エネルギー管理士試験の学習範囲(=出題範囲)」は

電験3種より狭く、電験3種より深い

と考えています。電験3種を勉強していれば大体の試験範囲はカバーされることになりますが、少し足りないところもあります。エネルギー管理士は、エネルギーを「使う側」の思想の試験なので、需要側メインの試験です。そこに範囲をしぼり若干難しい内容になっていると思います。

電験3種より狭いとは言え、電験3種より深く出題範囲に対して必要な学習量の体積は同じくらいと考ます。(わけわからない例えでスミマセン)

 電験3種の範囲×電験3種の深さ=エネ管の試験範囲×エネ管の深さ

つまり、学習量としては(まともに勉強した場合の)電験3種と同程度必要となります。
※電験3種は過去問使いまわしに伴い、過去問の丸覚えという手法もある。

このボリュームの勉強をまともにすることが現実的に考えると難しく、まともに勉強すると行き詰って途中辞めしたり、中途半端な勉強に陥ると考えています。

突然電験3種との比較をして分かりづらいですが、詳しくまとめた記事を見て頂くとより伝わると思います。

もう1つ悪いパターンとして

参考書を全部読んでから問題に取り掛かる

ことを挙げます。

前述したように、エネルギー管理士の試験範囲はとても広いです。参考書を一から読んで行っても100頁も読めば1頁目は忘れています。

このやり方では、全部読んで問題にたどり着くこと自体が最初の高いハードルになってしまって途中辞めの原因の1つと考えています。

参考書だとテーマの重みが分からない。不要な情報も多い。

参考書は割と同じ重みで書かれています。”ほぼ”要らない内容と必要な内容が混じっていて、全部覚えないといけない気持ちになります。実際の試験では問われない部分まで(もちろん理解できればよのですが)入っていて、まともにやると人間のキャパシティを超えます。

(例えば)リンゴは何色でしょう? = 赤色
これだけを答えるのに、参考書には、「リンゴの種類」「リンゴの種の見分け方」「リンゴの種類ごとの育て方」「リンゴが赤くなる理由」が載っているとしたら、とりあえず「リンゴが赤くなる理由」のところだけ理解すれば十分です。

これができたら合格といえる方法

必ず合格できる」、と言える方法があります。

管理人

過去10回分の問題が答えられるようになればぜったい合格できる。

これは、一般的によく言われることだと思いますし、私も強く思います。

これまで私は40以上の国家試験を受けてきたのですが「10年分(10回分)」過去問題に取り組んで落ちたことはありません。電験1種でもそこまでやった時に初めて合格できました。

ちなみに「答えられれば」よいです。

全部に対して「理解する」「説明できる」までならなくても、最低限「答えが選べる」ようになればよいです。何度もやって答え自体を覚えてしまうのであればそれで構いません。

計算問題も意味わからなくても、とりあえず答えが出る計算方法を覚えても構いません。

とにかく、過去10年分を答えられるようになればよいです。理由は後述します。

試験勉強の取り組み方

学習ステップとしては

  • 過去問題にいきなり取り組む(1年目)
  • 当然解けないので、解説を読む。参考書の該当箇所を読む。
  • ネット(youtubeやホームページ等)で調べる。
  • とりあえず解き方を覚える
  • 1年目の問題が定着するまでしばらく繰り返す。

これをひたすら繰り返すだけでOKです。

「繰り返すだけ」と書いたのですが最初の峠を越えるあたりがつらいと思います。そこだけ頑張って乗り越えましょう。

「最初の峠」と表現したのは「3年目」くらいまでです。おそらく、最初の1年目は1課目でも調べながらやったら5~10時間くらいかかるかもしれません。

しかし、

ただ「参考書」を読む5~10時間とは成果が違う

と考えます。

目的を持って調べるのと、ただ読むのとは効果が違います。仕事の仕組みを覚える時に、「ルールブック全部読んどけ」と言われるのと、「○○のやり方をどうすればよいのか」と思って調べるのと意味が全然違うのと同じです。

「とりあえず全部読んどけ」で読んだ内容はほとんど頭に入っていないと思います。

こうして調べながら取り組んだ1年目の過去問題は、しっかり頭に入って取りあえず答え自体は覚えていると思います。

そのまま1年目の2周目に入ります。一応覚えていると思います。解き方だけ覚えていると思います。最初よりはるか早く解けると思います。分かった気になったけど忘れたところあると思います。もう一回調べるなりして解き方を覚えます。3周目に入ります。もっと早くできます。とりあえず出来た気になります。

1年分でもマスターすると解ける問題がグンと増えます。

参考書1冊30時間かけて読んでも解ける問題は少ないと思っています。

この状態で2年目もやります。
おそらく似た問題が少なく同じくらい時間がかかります。
3年目もやります。1~2年目と同じ感覚だと思います。
4年目やります。1~3年目で見たことのある内容が出てきます。気持ちが楽になるし、調べる作業も楽になります。

この状態を私は「峠を越える」と自分の中では行っています。

ここまでくれば合格は半分以上達したと言って差し支えありません。4年目以降は調べる作業がずいぶん楽になるし、全然見たことのない問題が減ってきます。参考書を使っているとしたら見どころが分ってきます。

ここまで来たら参考書を通読する意味もでてきます。

過去問をある程度やると、出題範囲が見えてきます。そこで初めて参考書を通読してもよいです。(読まなくてもよいですが)一応(←失礼な)参考書は体系的にできています。きちんと体系的に順番を意識して必要な部分が分かって読むことで頭に入ります。

10年分やりきった後は、繰り返し見たことのある問題を解き続けるのみで、もっともっと楽になります。

そのうち分かることも多いのでとりあえず進める。

 前述の過去問を調べる作業ですが、1つの問題でも背景がたくさんあって十分腑に落ちないこともあります。そういうのは気にせず、「解き方だけ覚えて次へ進む」のが得策です。

エネルギー管理士は類似問題が多い

のは周知の事実です。同じ問題ではないが、似た問題が多い。

似た問題=同じテーマで違う視点の問題

ということです。同じテーマで違う聞かれ方をされることが多いです。こうなると、習熟度の低い最初の頃に無理して1つの問題を深堀するよりも、ほかの問題を取り組んだ方がいよいです。

そのうち分かる

時が来ます。10年分やっている間に、同じテーマで違う視点の問題に遭遇します。その時に、前の問題で腑に落ちていない問題の意味が分かるときがあります(点と点がつながるときがくる)。そういう時が多いです。

ちょっと嬉しいし、ちょっと楽しい時です。(あくまでちょっとです)

こういうことがあるので、とりあえず時間がかかりそうな時は前に進んでください。

10年分繰り返すことで合格できるようになっています。

計算問題は得点源になる

 計算問題は過去問の解き方を覚えておく(理解できなくても手順を覚えておけば)おけば答えが出るような問題です。

私が一番苦労した電力応用課目は、選択問題で「電気加熱」と「照明」を選択しましたが、5年分程度の計算問題を練習すれば出題の傾向がつかめると同時に算出手法も身につきました。

問題パターンに慣れてきて、解く方法を覚えてくると

計算問題は得点源

になります。毎年違う問題でも解き方が同じだからです。しっかり練習しましょう。

無理せず課目合格制度をうまく使う

 少し余分にお金はかかりますが、課目合格制度をうまく使うことで合格を目指すことができます。

エネルギー管理士試験の学習範囲はとても広い

 エネルギー管理士の試験範囲をまともに勉強するととても広いです。4課目分勉強するのは気が遠くなる人もいます。「無理だ」と思ってしまうのもこのせいです。この試験は

4課目を3年以内に合格すればよい

制度になっています。

エネルギー管理士4課目分の範囲を全部を一度に勉強できる人は少ないと思います。私も電験と同時に受験していましたができなかったです。私は3年掛かりました。

ボリュームが多すぎて進まない(やる気がでない)方は、無理せず今年は「これだけ」、他は勉強しない、受かったらラッキーくらいのところから取り組みましょう。1課目でも減れば気が楽になって翌年も頑張れる気がするものです。

身近に頼れる人がいれば少し頼る

 この記事のタイトル「独学」からいうと少し外れますが、もし、身近に頼れる人(エネ管や電験3種)を持った人がいれば、少しだけ教えてもらうとよいです。教えてもらうと理解が進みます。

もし、

問題集の解説の意味ぜんぜん分からない。
参考書で調べてもまったく頭に入ってこない

状態だと、試験を受けるところまでレベルが至っておらず試験勉強が苦痛に感じられるのでおそらく長続きせず、やめてしまうと思います。心の負担が大きい状態です。

上に書いたように大半の試験は

「峠を越える」までが勝負

です。峠を越えるまで一緒に歩いてもらうのです。

そこを越えればあとは一人で歩いていけるようになります。「途中辞めしない、やる気が出る」ところまで連れて行ってくれる人が近くにいる場合はぜひ声をかけてみましょう。

参考書(教科書)は辞書的につかう

 参考書としては、初めから読むのではなくて辞書的に使うことをお勧めしています。

辞書は調べたいことを調べる時に使うもの。

辞書を1頁目から読む人はいないと思います。(多分)

参考書と辞書では作られた目的は違いますが、(難易度の高い資格の)試験勉強に対する参考書の用途としては、辞書としてイメージすることがよいです。

エネルギー管理士にはよい参考書はない。過去問は必要。

 エネルギー管理士試験にチャレンジする時、参考書は普通の人なら「エネルギー管理士」用として販売されているものを選ぶと思いますが、(課目Ⅰを除き)得策ではありません。

受験者数が圧倒的に多い電験3種に比べてエネルギー管理士は参考書に恵まれていません。この点も電験3種との大きな差です。電験3種は年々便利な問題集や参考書が充実してきています。

参考書:電験3種用
問題集:エネルギー管理士用(10年分)

がよいと思います。

なお、「課目Ⅰ エネルギー総合管理及び法規」は電験3種では該当する課目がないのでエネルギー管理士用でよいです。

参考書は電験3種用をもともと持っていればそのままお使いください

おすすめの参考書・過去問題集

 エネルギー管理士に特化した書籍は選択肢があまり豊富ではありませんが、その中でも役立つ書籍を紹介します。

過去問題集

 過去問集は「エネルギー管理士」用で10年分載っているものがおすすめです。定番のオーム社か電気書院いずれかの問題集をお好みで活用ください。電気書院の方が高額ですがたくさん載っています。私としては10年分載っていれば十分かと思います。

(予算と相談ですが)異なる出版社の過去問を購入すると、別々の解き方で解説されていることが多いので腑に落ちる解説を探しやすくなるメリットがあります。普通は片方で大丈夫です。

「オーム社」の過去問集です。「10年分」が掲載されています。

 「電気書院」の過去問題集です。「12年分」が掲載されています。

参考書

 残念ながら「エネルギー管理士用」として販売されている書籍で一押しの参考書はありません。電験3種用で手に入れられたものがあればそちらをお使いいただくことで問題ありません。

電験3種受験経験者であれば1番目の「エネルギー管理士徹底マスター」+2番目の「これだけ機械」があれば十分だと思います。

おすすめがないと書きましたが、課目Ⅰではこちらがおすすめです。令和4年度の課目Ⅰ再受験私も活用しました。体系的に法律が勉強できてよかったです。私の感想は、合格体験記でご覧ください。

電験3種用の参考書ですが、私が電験3種~1種・エネルギー管理士でも大活躍したこれだけ機械を紹介します。エネルギー管理士試験の時には、「課目Ⅳ 電力応用」の電気加熱や照明でとても役に立ちました。課目Ⅱの自動制御、課目Ⅲの回転機&変圧器でも役立つと思います。いまでも調べものに使っている私の機械の辞書です。

エネルギー管理士 徹底研究はエネルギー管理士の定番の参考書ですです。全課目が載っているので「とりあえずこれ」なのだと思います。使っている人も多いです。が、4課目集めているので内容が薄く解説が足りておらず、ある程度レベルのある方(電験3種を持っているレベルの方)用になります。1課目ずつ4冊の参考書を買うと総額が高くなるので、「とりあえずこれ」になる参考書です。

電験3種から始めるのがおすすめ。

 エネルギー管理士の過去問解説がぜんぜん頭に入ってこない場合には、まだ受験するレベルに至っていない(大変失礼ながら・・・)ため、電験3種から受験をおすすめします。

エネルギー管理士と電験3種に近い問題レベルであるし、出題範囲の重複が多く親和性が高いのですが、受験者数の多い電験3種の方がはるかに試験勉強の環境が恵まれています(参考書の充実具合、ネット上の情報量の多さ)。参考書も電験3種用がそのままエネルギー管理士に流用できます。難易度的にもちょうどよいです。

エネルギー管理士を急がない人は電験3種からがおすすめ。

 詳しくは下の記事にまとめてあります。

同時に受験するのも効果的です。「エネルギー管理士」をきちんと取得する目的の方であれば同時受験はおすすめだと考えています。

電気初学者は「熱分野」の方がいい場合がある。

 「エネルギー管理士の取得」が目的で、電気はほぼ「初学者」であれば、一般的に「熱分野」の方が難易度が低いと認知されています。とにかく

「エネルギー管理士が欲しい」
「将来的にも電気ではない分野で活躍したい」

という方は熱分野を検討してみてはどうでしょうか。

理由は次の記事に書いています。

合格体験記について

 ”独学”の勉強は、独りなのでモチベーションの維持が課題になります。モチベーションが落ちている時期もどうしてもできます。やる気がなくなった時の気分転換に他の方の合格体験記を見て見られるもよいと思います。

苦労の共有や新しい発見があるかもしれません。みなさまより投稿いただいた貴重な合格体験記がたくさんあります。

まとめ

 この記事をまとめると

  • 過去問10年分を答えられるようになる
  • 過去問解説が頭に入ってこない場合は電験3種から

大体どこのサイトでも過去問10年分を推奨していますし、私も1ミリも反対意見ありません。これで十分です。どうにか峠を越えて10年分がんばってみてください。物量が多すぎれば3か年計画くらいで課目合格制度を活用しながら乗り切ってください。

一方で、過去問題の解説がぜんぜん頭に入ってこない場合はレベルが足りていない恐れがあります。この場合は学習環境が充実している電験3種からやってみてください。そこで参考書は手に入りますし、ネット(ホームページやyoutube)で解説が豊富です。電験3種で下地を作ってからエネルギー管理士に挑戦されるとよいかと思います。