第2種電気工事士試験で定番で出題されるパイロットランプの回路・結線・複線図について説明します。複線図をそのまま丸覚えでも問題はありませんが、できれば「理解」できた方が試験会場で「ド忘れ」しても思い出せるし、回路チェックもできると思いますのでここでは仕組みを理解できるように説明します。
パイロットランプの回路がある意味、一番理解しづらいのではないかと思いますので、単位問題の複線図だけの説明ではなくて、普通のシンプルな回路図で説明をします。
電気工事士技能受験対策 【パイロットランプのある回路】解説動画
解説動画を作りました。動画を見てもらえば、下の記事は(読んで欲しいけど)読まなくてもほぼ同じ内容となっています。
パイロットランプとは何か
パイロットランプとは、暗い場所でも光って電灯のスイッチの場所を知らせるランプだと思っていただければよいです。今どきは、このタイプのパイロットランプはあまり使わないかもしれません。スイッチへ内蔵されていることが多いです。が、試験としては電気回路の理解を試すのに敢えて配線が必要なこのタイプを使うのだと思います。
見た目はこういう感じです。
パイロットランプの3つの結線方法
パイロットランプはつなぎ方で3つの使い方ができます。言葉の意味は写真を見るとわかりやすいので下の写真で確認をしてみてください。
常時点灯
スイッチがONでもOFFでも常にパイロットランプが点いている状態を『常時点灯』といいます。これは感覚的にも分かりやすい状態です。
同時点滅
スイッチがONの時にパイロットランプも点灯、スイッチがOFFの時はパイロットランプは消灯し、スイッチ(負荷)と同じように動くものを『同時点滅』といいます。電灯が消えているときにはパイロットランプも消えているので暗いときにスイッチの位置を知らせる時には使えません。電灯以外の負荷で、通電を知らせる時に主に使います(例えば換気扇運転中は点灯)。
異時点滅
一番悩んでいる人の多い使い方です。スイッチがONの時にパイロットランプは消灯、スイッチがOFFの時はパイロットランプは点灯し、スイッチ(負荷)と逆に動くものを『異時点滅』といいます。電灯が消えているときにはパイロットランプは光るので暗いときにスイッチの位置を知らせる使い方で活躍します。
パイロットランプの回路図(解説編)簡単な回路図
世の中のパイロットランプの回路図説明はいきなり複線図が書いてあるだけなので、なぜそう光るのか(特に異時点滅)に意味が分からないのではないかと思います。超簡単な回路図で仕組みを説明します。
常時点灯
パイロットランプを電源に並列につなぐことでパイロットランプは常に点灯します。
同時点滅
パイロットランプを負荷と並列につなぐことでパイロットランプはスイッチと同時に点滅します。
異時点滅
パイロットランプをスイッチと並列につなぐことでパイロットランプはスイッチと逆に点滅します。分かりづらいのでこれだけ詳しく解説します。異時点滅は回路図に数字を入れて説明します。電流の流れ方、電圧のかかり方がポイントです。
スイッチOFFの時
回路図的には、レセプタクルとスイッチが直列回路です。この場合抵抗値に応じて分圧します。パイロットランプの抵抗値が高いとレセプタクルにはほとんど電圧がかからないので、電気は通電していますが光ることができません。このため、パイロットランプだけ点灯します。
スイッチONの時
回路図的には、パイロットランプを0Ωで短絡した状態です。0Ωで短絡すると、短絡した方に全電流が流れるので、パイロットランプには電流が全く流れなくなって回路的にないのと同じになります。
パイロットランプのある回路 複線図(今回の回路図)
複線図の説明は、テキスト等にたくさん載っていますので、ここでは簡単に図を載せておきます。上で載せている写真の複線図です。
常時点灯
パイロットランプを電源に並列につなぐことでパイロットランプは常に点灯します。
同時点滅
パイロットランプを負荷と並列につなぐことでパイロットランプはスイッチと同時に点滅します。
異時点滅
パイロットランプをスイッチと並列につなぐことでパイロットランプはスイッチと逆に点滅します。
パイロットランプのある回路 複線図の書き方
パイロットランプの簡単な回路図と並べてみればわかりやすいのですが、何と並列かだけがポイントです。慣れないうちは、パイロットランプがない回路図を書いて、後から「何と並列か」思い出して結線を書けば間違いづらいです。
人気記事(過去48時間)