家庭での階段や長い廊下などで別の場所から同じ電灯をオン・オフできる3路・4路スイッチの仕組みや回路、複線図解説です。
家庭での電気のスイッチ(電灯のスイッチ)は、一般的に一つの照明に対して1つです。しかし、階段をのぼる際に、下のスイッチで電気を点けて、あがった後に上でスイッチを切る事ができるととても便利です。このようなことができるスイッチを「3路スイッチ」といいます。また、階段のみならず長い廊下や広い部屋でもこの3路スイッチは採用され、2ヶ所で電灯を入切する事ができるので大変便利です。
3か所以上で同様のことをしたい場合には「4路スイッチ」というスイッチも組み合わせます。この3路スイッチ・4路スイッチの仕組み、使い方について説明します。
3路スイッチ、4路スイッチの解説動画
3路スイッチ、4路スイッチの解説動画を作りました。動画を見ていただいた方が動いているので分かりやすいと思います。下の記事も読んで欲しいけど読まなくても大丈夫になっちゃうかもしれません。
一般的なスイッチの仕組み
説明は不要かもしれないのですが、普通のスイッチです。スイッチを入れれば電灯が点く、という普通のスイッチです。普通のスイッチは、「入」「切」が固定なので、「入」側に印が付いています。この場合は複数の場所で入切することはできません。では、複数の箇所で電灯を入り切りする場合にはどのようなスイッチを使用するのでしょうか。
実物の外観です。普通のスイッチは「入」側に印があります。「入」側が固定されています。背面の回路図は上の図と同じ回路になっていることが分かります。
3路スイッチの仕組み
スイッチに「入」の印(普通のスイッチは電気が点く方に何か印がしてある)がありません。これは、場合によってどっちが入りか分からないからです。 仕組みとしては、スイッチを切り替える度に電気の通る道が切り替わるスイッチです。絵を見ていただければお分かりいただけると思います。入口が1つ、出口が2つあるスイッチです。
3路スイッチ使い方
3路スイッチは2個1組で使います。使い方は下図のとおりです。このように接続することで、「どちらかを操作すれば現状と逆の状態を作る」ことができます。
仕組みは理解いただけたでしょうか。ポイントは、上にも書いたとおり「どちらかを操作すれば現状と逆」(=電灯が点いていれば切れる、消えていれば点く)に動くことです。
では、3箇所以上、4箇所5箇所でもできるようにするにはどうすればよいでしょうか。実は3路スイッチでは3箇所以上の電灯の入り切りは実現できません。ここで、「4路スイッチ」というスイッチを使うことになります。4路スイッチを組み合わせた回路は次で説明します。
4路スイッチの仕組み
4路スイッチは2つの入力で2つの出力がされるスイッチです。スイッチを切り替えることで「交差」「平行」が切り替わるスイッチで、電気の流れを切り替えることができます
これは3路スイッチと組み合わせて使うことで目的を実現することができます。
4路スイッチの使い方
多少見づらいのですが、要は3路スイッチを両端につけて、間に4路スイッチをつける回路を作ることで実現します。間に接続する4路スイッチを増やせば、10箇所でも20箇所でもいける仕組みになっています。4路スイッチ考えた人はスゴイです。例で3のスイッチを切り替えている絵を付けています。どのスイッチを動かしても電灯は点けたり消したりできます。
ビルやマンションの階段で1~4階のどこのスイッチでも点けたり消したりできる仕組みがご理解いただけたと思います。
3路スイッチ・4路スイッチの外観
3路スイッチ・4路スイッチの外観です。正面から見ると見た目は同じため3路スイッチ、4路スイッチの見分けはつきません(見分けを付ける必要もありません)
背面から見ると回路図が書いてあり、違いが見て取れます。回路図を見ると上で説明したものであることが理解いただけると思います。
現物での接続イメージを載せます。上の解説図と見比べていただくと、理解が深まると思います。
3路スイッチ、4路スイッチのある回路の回路図
実際に配線した現物の動きを見てください。どのスイッチを操作しても電灯が今と逆の動きになります。現物の動きを見るのが見やすいと思います。
今回作成した回路の回路図が以下です。単線図、複線図を並べて書いています。少し見づらいかもしれませんが、上で説明した回路そのものです。
平たく見やすい回路図に書き替えたものを載せておきます。これだと配線が分かりやすいと思います。
第2種電気工事士技能試験での出題例
第2種電気工事士では上で説明した回路図が度々出題されています。例に挙げた回路とほぼ同じですが出題例を載せておきます。
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