電気工事士試験の技能(実技)試験では、電動工具以外は何でも使ってよいことになっています。
実際に受験経験者のリアルな体験に基づく「現地で役立ったモノ」を実例を交えて紹介します。
指定工具以外とは
電気工事士試験の技能試験では、最低限必要な工具として指定工具が指定されています。
とりあえずこれで受験するには十分とされている工具です。
指定工具は必ず持参するように書かれてあります。
一方で、平成15年度からは、
電動工具以外のもの以外は何でも使ってよい
という形に工具の取り扱いが変わりました。
「電動工具以外のすべての工具」について、受験案内では分からない(気づかない)受験経験者の経験を基に現地で役立ったものについて紹介します。
経験者は語る
リアルな経験に基づく情報なので、とっても参考になると思います。
他のサイトや参考書にも似た記述もありますが、平成16年頃から電気技術者の部屋には掲載していたので、私のサイトが一番最初に載せた?のではないかと自負しています(笑)
計測器は使用不可
技能試験の概要と注意すべきポイントに「例えばテスタなどの計測器の使用は禁止です」という記述があります。テスタ含み、計測器は工具とは見做されていません。
指定工具以外に持参して役立ったモノ(工具以外篇)
「指定工具以外」というか主に工具以外に役立ったものを紹介します。経験しないと分からないと感じました。いろいろ教えてくださったサイト訪問者の方に感謝!です。また追加があればコメントで教えていただけると嬉しいです。
スポーツタオル
工具を置く場所に敷いておきました。不要かも知れませんが、試験中は必死になっているので、机に傷を付けたり滑らせて落としたりして、余計に混乱してしまうのを防ぐために使用しました。
敷いて使うのよいと思います。その他にも「汗拭き」「ケガした時の止血」などに役立ちます。いま販売されている工具セットに「手ぬぐい」が付いているものがありますね!
小さいタオル
手が汗ですべるので小さいタオルが大活躍でした。(ハナがでてきても対応できる。)
スポーツタオル同様に色々役立ちますね!
電工腰袋
単位作業で、支給部品によっては、使わなかったり一度使うと不要となるものがあります。ウォータポンププライヤがその例だと思いますが、使った後で、机上にあると邪魔なので、作業終了後電工腰袋に仕舞いました。
工具の整理に使われる方が多いそうですね。机が狭いのでこの意見はもっともです。
小型の電工バック
工具の整頓用に小型の電工バックを持参したのも試験会場の大学の机が小さく役に立ちました。
腰袋同様、工具収容のバックは必須ですね。どこも会場がせまいようです。
ばんそうこう
結果的に必要無かったのですが、万が一の怪我に備えて、ばんそうこうも入れておきすぐに出せるようにしておきました。
受験案内に、ケガをして止血できないと退室させられる記述があります。ナイフや電線の先端で慌てていてケガをすることがありえます。絆創膏は必須アイテムだと思われます。
腕時計
必要だと思います。(会場に時計がなかった。)
時計がない会場がありますね。目覚まし時計など小型の卓上でも可。ただし作業の邪魔にならないように要注意。時間が分かりやすいようストップウォッチという方もおられますね。
シャーペンと消しゴムとシャーペンの芯
軽く見がちだが、これがないと複線図がかけない。
書かれているとおりです。ほかにも、色ペンや3色ペンを持参する方もいるようです。受験案内に「色鉛筆・色ボールペン・蛍光ペン・マジック」は筆記用具に含まる記載があります。
カッター(注)
活躍したのはカッターですね。KIPを剥くとき、切れの悪い電工ナイフだと、切り込みを入れるのがわたしには難しく、練習時からカッターを使っていました。
カッターナイフについては下へ注意事項を記載しておりますので一読ください。
投稿を頂いた当時(平成16年頃)の話です。現在は利用が推奨されていないので、持参しない方がよいと思われますが注意喚起のために敢えて残しております。
ハサミ(1種)
二種では必殺のP-955の活躍の場が余り無かった。
やはりナイフが使える必要が有る(長く電線を裂く必要)
意外と電線の介在物を切るのに持参したハサミが役に立ちました。
CVVケーブルには介在物が入っているので、ハサミも役立つことがあるのですね!ちなみに本文中の「P-955」は最強便利ツール「ホーザンP-958」の旧モデル。
指定工具以外に持参して役立ったモノ(工具篇)
ラジオペンチ
のの字を作るときには、普通のペンチだと、微妙に大きくなってしまうので、かえって時間がかかり、結局はラジオペンチを使ったほうが早いし、きれいだったので、試験にも持っていきました。
のの字曲げには「ラジオペンチ」は使いやすそうですね。最強便利ツール「ホーザンP-958」を使わない場合の「のの字曲げ」の救世主ではないかと思います。
VA線ストリッパースペシャル(VSS-1620)
ものとしては高価ですが、不器用なワタシにはまさに神の道具でありました。このストリッパーに切断刃を基準にして、 10・30・50・80・100・150mmの位置に油性の赤マジックでマーキングして、この寸法を参照して、電線を剥きました。ちなみに、取っ手部分は、練習中に何度もはげてしまうので、前日に、最終マーキングをして準備しました。
工具で寸法を測定するのも必須の工夫です。ケーブルのストリップ工具は時短のためには必須となりつつある工具です。
管理人のおすすめ便利工具
指定工具以外の工具で管理人の薦める便利工具を紹介します。今更紹介するまでもない有名な工具です。いずれもストリッパ(被覆剥ぎツール)になります。電線の被覆剥ぎ取り作業は作業の多くを占める重要な作業です。電工ナイフを熟練すれば問題ありませんが、ストリッパを使うことで
・作業スピードアップ(時間短縮)
・電線への傷付け対策(一発アウト)
に役立つので、入手いただきたいです。
ホーザン(HOZAN) VVFストリッパーワイヤーストリッパ P-958
指定工具+1つだけしか追加しないとしたらぜったいにこれです。ストリップ機能も秀逸ですが、その他の便利機能がさらに秀逸です。電気工事士の試験対策のために作られたような工具です。絶対に入手していただきたいです。
ホーザン(HOZAN) VVFストリッパーワイヤーストリッパ P-929
VVFケーブルの最強のストリッパと言えばこの工具です。優先順位は上のP-958の次になります。VVFのストリップに限ればこの工具です。「のの字曲げ」に困っていなければこの工具。
【1種用】ホーザン(HOZAN) ワイヤーストリッパ- より線用 P-90-C
1種の「より線」用のストリッパです。ストリップする本数が少ないし、被覆を剥ぐのにそれほど苦労はないのでナイフでぜんぜん問題ありませんが、苦手な方用です。
工具の選び方は次の記事に詳しく詳細に書いていますので、読んでみてください。
(注意事項)カッターナイフの使用について
電気技術者試験センターが公開している「技能試験の概要と注意すべきポイント」に工具選びに関してのとっても大事なことがたくさん書いてあるので必ず一読ください。カッターナイフ以外もご一読いただいておくとよいです。
カッターナイフについて次の記述があります。
「近年カッターナイフでケガをされて、手当のために退出される方が増えていますので、カッターナイフの使用を自粛してください」
カッターナイフは使用しないことを推奨されているので使わない方がよいと思います。もちろん上手に使うこともできると思います。ただ、当日ケガをして退出させられては元も子もないのでリスク回避の意味でカッターナイフに頼らない形が望ましいです。
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