【電気工事士】技能(実技)試験に最低限必要な指定工具とは?

電気工事士【共通】

 電気工事士試験の実技である技能試験は技能試験はどんな試験?初学者でも大丈夫?で説明した通り、机上で単位問題の作品を作り上げます。この時に工具のみ持参します。
工具持参のため、工具がなくては話になりませんので、どのような工具が技能試験では必要なのかを述べます。

最低限必要となる工具(指定工具)

 技能試験は何が必要?(準備物・工具・電線・器具)でごく簡単に工具に触れましたが、電気工事士試験では、電動工具以外のすべての工具を使用することができます。(1種・2種とも共通)

 受験案内には、以下の指定工具と言われる工具は「最低限必要と考えられるもの」と記載があります。以前(平成14年度以前)はこの工具だけで試験を受けていました。

受験案内の記載内容

[第1種電気工事士]

令和6年度第一種工事士試験(国家試験)上期試験受験案内 抜粋

[第2種電気工事士]

令和6年度第二種工事士試験(国家試験)上期試験受験案内 抜粋

「必要最低限」ということは、「これだけが最低あれば試験はできる」という工具になります。なお、第1種でも同様です。第1種だけ出題される電線もありますが、電工ナイフで被覆をはぎ取ることができるので、指定工具のみで対応は可能です。

指定工具

ペンチ、ドライバ(プラス、マイナス)、ナイフ、スケール、ウォータポンププライヤ、
リングスリーブ用圧着工具(JIS C 9711:1982・1990・1997 適合品)

 全部が必要ということはありません。

全部そろっていないと受験できないこともありませんし、確認行為もありません。「最低限必要」と言われているだけで、必要ないと思えば準備不要です。こればかりは練習してみなければよくわからないかもしれません。

指定工具の紹介

 前述した6種類7点の「指定工具」が最低限必要と受験案内には書かれています。
昔はこの指定工具のみで作業していた(私が受験した時代も指定工具のみが使用可能な時代でした。)ため、これだけあれば作業を完結することが可能です。

平成15年からは電動工具以外は何でも使ってよくなりました。

このため、現代は比較的試験が楽になっていると言えます。

ペンチ

全長が20cm程度のもの(写真私が使ったものですが、19cmです)がよいと思います。あまり短いものを買うと、電線を切る時に3心のVVFケーブルが一回で切れない(切る所が短いので)問題があります。
また、写真でも少し見えますが目盛りをつけて長さを測るスケールとしても使えます。(むしろ、ほぼ指や工具に付けた目印で測る)

ドライバー(プラス・マイナス)

(プラス)器具への電線のビス止めに使います。このため、ビスとドライバ先端のサイズの適合していること、先端がマグネットであることやグリップが大きく使いやすいことが理想です。
(マイナス)ビス止めはしませんが、器具から電線を外す際や、連用枠への器具の取付につかいますので、先端が器具にあったサイズが必要です。グリップ大き目がおすすめです。

電工ナイフ

電工ナイフとして売ってるものならばどのナイフでも問題ないと思います。これにも写真のように(見えにくいです)目盛りをつけておくと被覆を剥くときに長さを測る時間が短縮できて効率的です。
電工ナイフの取り扱いは慣れるまでが大変です。被覆を剥けるようになるまでがそれなりに修練が必要です。毎日練習が必要です。もし当日の電線が思ったのと違って剥きにくい場合にはナイフの出番なるのでバックアップ的に練習しておきましょう。

スケール

写真は折尺を付けていますが、メジャーのような素材(形状)を机に貼り付けることも多いようです。
ただ必要ない可能性があります。私は持参しませんでした。ペンチや電工ナイフへのメモリや、いまは目盛りが付いた工具が売っています。念のため、最終チェック用、くらいのイメージで持参のレベルでよいかと思います。

ウォータポンププライヤ

「ウォータポンププライヤ」として売っているものであればどれでも問題ないと思います。使う機会が少ない(アウトレットボックス内のナットを締め付ける程度)工具です。ただし、小さすぎるものは使えないので、大きめのもの(20cm程度)を購入してください。私は普通の「プライヤ」で受験しました。

圧着ペンチ[仕様に注意]

必ず必要な工具です。注意すべきは柄が黄色のものを買う事です。圧着ペンチでも圧着端子用とリングスリーブ用では違います。圧着した時に「○(特小)」「小」「中」「大」の刻印が刻めるものを必ず購入して下さい。注意して購入して下さい!!
この工具は高額なため、間違えるとかなりのダメージです。
刻印についてしっかり確認してください。

【参考:刻印の部分】
上で注意と記載してる圧着マークのところの拡大写真です。一番上が「特小」です。その次から「小」「中」「大」のマークがあります。電線接続を「リングスリーブ」で行う場合に使用するサイズに指定があり、使い分けが必要です。この工具が必要です。

※「大」が必要な問題は、第1種・第2種電気工事士技能試験ではに出題されておらず、「大が省略された」コンパクトな「〇、小、中」だけのものが販売されていますが、それでも問題ありません。

指定工具のセット

 指定工具だけを集めた工具セットが販売されており、試験に推奨されている仕様のものを集めたものですので、受験者は簡単に揃えることができます。

おすすめの仕様や選び方

 指定工具に限らず、どのような工具セットを選ぶべきかについて記事をまとめています。

圧着ペンチについてはこの記事に一番詳しく書いています。

指定工具以外で役立つものや工具

 指定工具以外にあったらよいもの、便利なものについてまとめた記事があります。きっと参考になるものがあると思うので、一読ください。

技能試験に必要な準備物一覧

 各記事で断片的に記事を書いていますが、結局何をそろえればよいのか書いている記事も作っています。ここからスタートして頂ければと思います。