【電気工事施工管理技士(1級)】2次試験内容と解答記述例

電気工事施工管理技士

 電気工事施工技術検定(1級)2次試験の記述ではどの程度記述すればよいか目安として、私が書いて合格した内容を参考に紹介します。ボリュームや詳しさの参考にしていただければと思います。記述式の問題は公式解答がないのでどの程度の答えを求めているのかも定かではないのでこのあたりも参考になると思います。

 ちなみに、1級は気合入れて勉強したので詳しめになっているかもしれません。時間がとても余ったので、すべて書き写して帰ってきています。よって下に書いている内容はそのまま提出した内容です。

 (注意事項)
この記事に記載している内容は私の受検した「令和5年度」の問題です。今後、出題傾向が変わってしまう可能性もあるので、かならず新しい出題内容を確認ください。

【問題1】施工経験記述

あなたが経験した電気工事について記述しなさい。

(1-1)経験した電気工事について、次の事項を記述しなさい。
 (1)工事名
 (2)工事場所
 (3)電気工事の概要
  (ア)請負金額(概略の額)
  (イ)概要
 (4)工期
 (5)この電気工事でのあなたの立場
 (6)あなたが担当した業務の内容

(1-2)
上記の電気工事の現場において、墜落災害が発生する危険性があると、あなたが予測した事項とその理由を2項目あげ、これらの労働災害を防止するために、あなたがとった対策を項目ごとに2つ具体的に記述しなさい。
 ただし、対策の内容は重複しないこと。
 なお、次のいずれか又は両方の記述については配点しない。
  ・保護帽の単なる着用のみの記述
  ・要求性能墜落制止用器具の単なる着用のみの記述

(1ー3)
上記(1-1)の電気工事の現場において、電気工事に従事する労働者の感電災害が発生する危険性があると予測した作業内容とその理由をあげ、あなたがとった対策を具体的に記述しなさい。

【問題2】語句に対する品質確保の留意点

電気工事に関する次の語句の中から2つ選び、番号と語句を記入のうえ、適正な品質を確保するための方法を、それぞれについて2つ具体的に記述しなさい。
 1.資材の管理
 2.合成樹脂製可とう電線管(PF管)の施工
 3.重量機器の取付
 4.電線相互の接続

【管理人の選択した語句とその解答】
2.合成樹脂製可とう電線管(PF管)の施工

  • サドルで支持する場合、1.5m以下の支持点間とする。管の曲げ半径は管内径の6倍以上とする。管内で電線の接続点を設けない。
  • コンクリート埋設では管が動かないよう1m間隔で鉄筋に固定する。また、重量物の圧力や過度な振動の加わらない箇所へ設置する。


4.電線相互の接続

  • 被覆は芯線を傷つけないよう電線に適合したストリッパやナイフではぎとる。また、接続後は、被覆と同程度に絶縁させるよう絶縁テープ等で絶縁処理する。
  • 接続は電線に適合した接続材を用いて抵抗を増やさないようにする。リングスリーブを使う場合は、正しい圧着マークを確認する。

【問題3】用語に対する技術的事項の記載

電気工事に関する次の用語の中から4つ選び、番号と用語を記入のうえ、技術的な内容を、それぞれについて2つ具体的に記述しなさい。
 ただし、技術的な内容とは、施工上の留意点、選定上の留意点、動作原理、発生原理、定義、目的、用途、方式、方法、特徴、対策などをいう。
 1.水車のキャビテーション
 2.汽力発電の熱効率向上対策
 3.架空電線路と比較した地中電線路の特徴
 4.電力系統の直流送電
 5.電力デマンド制御
 6.サージ防護デバイス(SPD)
 7.遮断器の保護協調
 8.新4K8K衛星放送用構内共同受信設備
 9.電気鉄道の電食防止対策
 10.電気鉄道の閉そく装置
 11.交通信号の半感応制御
 12.B種接地工事

【管理人の選択した用語とその解答】
1.水車のキャビテーション

  • 鉄管やケーシング入口の流速の速い(圧力の低い)箇所で気泡が発生し、ランナ近くの流速が遅い(圧力が高い)箇所で気泡がつぶれ衝撃が生じる現象。
  • ランナの損傷がおきる場合がある。効率が低下する。比速度や吸出し高さを適正としておく必要がある。(対策)


3.架空電線路と比較した地中電線路の特徴

  • 地中のため、災害(火災、台風、雷)に強く信頼度が高いが、一度事故発生すると復旧が架空に比べて長い。また建設費も高額になる。
  • 静電容量が大きいため、これを補償するりリアクトルが必要。架空であれば事故後も一度停電すると事故消滅の可能性があり再閉路方式が適用できるが地中ではできない。


7.遮断器の保護協調

  • 保護リレーの感度や時間を調整し、電気事故発生時には事故箇所を速やかに切り離して健全箇所の送電を継続させる。
  • 協調が不十分だと、健全箇所にまで波及し、停電範囲が大きくなる。上位から末端に向けて協調をとる。地絡は一般に事故電流が事故点に左右されないため、時間で協調をとる


12.B種接地工事

  • 特別高圧/高圧~低圧の変圧器2次側の1線を接地させる。抵抗値は150をIgで除した値以下とする。事故除去が早い(1s以下など)で緩和される。
  • 高低圧混触の際、高圧側の電圧が低圧側に印加されるため、低圧側の火災や感電防止のため、接地する。

【問題4】計算問題

4-1
図に示す直径が4mm、長さが8kmの一様な断面積を持つ直線状の電線の抵抗値(Ω)として、最も適切なものはどれか。
 ただし、電線の低効率は1.57×10-8Ω・mとする。

⑤10Ω(正解しました)
(答えは選択式のため、計算式は書いて提出はありません。解き方を参考に載せておきます)

 R=ρ・L/A
  =1.57×10-8×[8000/(2×2×π×10-6)]
 (mmを2乗なので、(10-3)を2乗なので(10-6)になる)
  =10Ω(計算が少し面倒)

4-2
 図に示す高低圧架空配電線路の引留箇所において、電線の水平張力を支線で支えるとき、電線の支線に必要な引っ張り強さT(kN)の値として、最も適当なのはどれか。
 ただし、支線は1条とし、安全率を1.5とする。

④30kN(正解しました)
(答えは選択式のため、計算式は書いて提出はありません。解き方を参考に載せておきます)

 ・高圧線の張力をT 
 ・低圧線の張力をT
 ・支線の水平方向の張力をTとすると
 (予備知識:それぞれの張力×取付高さで水平方向の張力は釣り合う)
 T×10m + T×6m = T×8m
 7.2kN×10m + 4kN×6m = T×8m
 72 + 24 = T×8m
 T = 12kN ←支線取付点の水平方向の張力
  Tから支線方向の張力Tを求める
 水平張力T/支線張力T=sinθ(θは電柱と支線の角度)
 sinθ=(6m/10m)←支線の長さは10m
 sinθ=0.6
 支線張力T=T/0.6
 支線張力T=12kN/0.6 = 20kN
  安全率1.5を考慮する(1.5倍の余裕を見る)
 支線に必要な引っ張り強さ= 20kN×1.5=30kN・

【問題5】法令問題

(5-1)建設工事の元請負人の義務に関する次の記述の□に当てはまる語句として、「建設業法」上、定められているものはどれか。

 ア:④ イ:③
にしたが、正解は
 ア:② イ:③
でした。(1問間違い)

(5-2)建設工事の請負契約に関する次の記述の□に当てはまる語句として、「建設業法」上、定められているものはそれぞれどれか。

ア:④ イ:①(両方正解)

(5-3)事業用電気工作物の設置又は変更の工事で、その工事の計画を主務大臣に届け出なければならない工事の種類および届出を要するものに関する次の記述の□に当てはまる語句として、「電気事業法」上、定められているものはそれぞれどれか。

 ア:④ イ:④
にしたが、正解は
 ア:① イ:③
でした。(2問間違い)

まとめ

 自己採点では、法令の6問中3問間違えた以外は○をもらえているのではないかという手ごたえでした。施工経験記述も多分概ね大丈夫なのかと感じています。記述(問題1~3)はその場で考えながら手書きでそれなりの文字数を書くので、文章が多少変にも見えますが、国語のテストではないのでだいたい意味が分かればよいのだと思います。

問題2と問題3の記述は勉強結構がんばってきたのでしっかり書き込みました。ここまで書かなくてもよいかもと思います。法令もそれなりにやったつもりですが、最後の電気事業法は見たことない内容で分からなかったです。もう少し勉強すればよかったかなと思いました。(この試験で一般的な問題ではなかったように感じる)

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