ここでは、私が2級電気通信工事施工管理技術検定に合格できた施工経験記述例を紹介します。
この記事は「電気通信工事」に関する技術検定の記述例です。
「電気技術者の部屋」は、電気以外の資格情報は載せていないサイトですが、本記事も電気工事に通ずるものもあり、電気工事施工管理技士の参考になると思いますので敢えて載せてます。
(参考)電気工事施工管理技士は次の記事に載せています。
【注意】令和6年度から変わります。
令和6年度の2次検定から見直しがあります。過去問だけ分析していては要注意です。見直し内容がとても抽象的でどのような出題なのかイメージが付きませんがづらいですが、変更があることは年頭において試験日にびっくりしないようにしましょう。
出題傾向は、令和6年10月に実施済ので土木のセコカンの問題がとても参考になると思いますので次のXをご覧ください。
管理人の実務経験
変電所の遠隔監視制御装置(変電所の電流電圧や遮断器・断路器などの開閉器の状態表示監視などを遠隔から行えるようにする装置)の増設工事の施工監督としての立場で記載しました。電気工事の部分もありますが通信工事の範囲でもあります。
通信工事として認められる分類としては「工事種別:情報設備工事」「工事内容:監視制御システム工事」の認識です。ネットワーク設備工事のLAN設備工事とも言えます。
複合的な一式工事の場合には、電気工事と電気通信工事として同一期間を両方の試験の実務経験にはカウントできません。こうした工事の場合は申請時に経験年数のカウントが要注意です。管理人は「電気工事」と「通信工事」の実務経験のカウントは細かく分けて管理しています。通信工事部分は1級受けられるまでまだ溜まっていないので受けられていません。
資材の管理や工程管理に安全管理・品質管理を発注者監督員として施工管理しています。
試験準備
「安全管理」「工程管理」「品質管理」のいずれかになると思います。どのパターンでもすぐ書けるよう下書きを準備し何度か書く練習をしておきました。ポイント(キーワード)は覚えておくことがよいと思います。
必ず下書きをしていってください。書ける文字数が少ないのでそんなに大変ではないかもしれませんが、試験本番中に1から考えていては考えがまとまらないし、例えば「対策を複数」がすぐ思いつかないかもしれません。書ける量が少ないので、逆に簡潔に書けなくて欄に納まらないこともあります。
施工経験記述内容
令和4年度に受検して合格しました。その時のテーマは、「工程管理」&「品質管理」についてでした。この時に記載した内容をそのまま掲載します。(この内容で合格もらいました)
経験した工事の事項
あなたが経験した電気通信工事に関し、次の事項について記述しなさい。
【工事名】 ○○(変)○○化工事(制御装置)
【工事の内容】
①発注者名:○○株式会社(勤務している会社)
②工事場所:○○県△△市■■XXX-XX ○○株式会社△△変電所
③工 期:202X年3月~202X年8月
④請負金額概算金額:○○百万円
⑤工事概要:(←5行書ける)
・主機増設に伴う○○制御装置の増設
・配電盤3面搬入・据付(H:XXXmm,D:XXXmm、W:XXXmm)
・LANケーブル敷設・接続(STPケーブル18本、約600m)
・電源ケーブル敷設・接続(CVVケーブル9本、約100m)
【工事現場における施工管理上のあなたの立場又は役割】
発注者の立場での施工監督
工程管理上留意した事項
上記工事を施工することにあたり「工程管理」上、あなたが特に重要と考えた事項をあげ、それについてとった措置または対策を簡潔に記述しなさい。
【特に重要と考えた事項】(←4行書ける)
主機との組合せまでに余裕を持った工事の完工。
半導体不足に伴う盤製作遅れの懸念があったこと、主機組合せが遅れると全体工程(電気工事そのもの)へ影響を及ぼすこと、500kV変電所のため停電の再調整が困難なことなどのため。
【それについてとった措置または対策】(←5行書ける)
- 機器の早期発注、承認図面の早期確認、メーカへの定期的な進捗確認
- 増設される主機との組合せ試験の2か月前を完工とする工程の設定
- 電気工事を担当(遮断器・断路器・継電器)する自社担当者・請負者(元請)を含む全体工程会議の定期開催による相互の工事計画の突合せ、早期取り合いの確認
- これらにより細かな状況変化に対応し、余裕をもって完工できた。
品質管理上留意した事項
上記工事を施工することにあたり「品質管理」上、あなたが特に重要と考えた事項をあげ、それについてとった措置または対策を簡潔に記述しなさい。
【特に重要と考えた事項】(←4行書ける)
LANケーブルの伝送品質の確保
○○○kV変電所(←超高圧です)のため、電力線や制御ケーブルからの誘導によるノイズの影響の懸念があったこと、現場でLANケーブルを作成することから施工不良の可能性があったなどのため。
【それについてとった措置または対策】(←5行書ける)
- STPケーブルの採用と制御ケーブルとのルート分離によるノイズ対策
- LANケーブル敷設後にチェッカによる疎通確認だけでなく測定器で性能試験を実施。伝送速度が満足せず、調査によりLANケーブルのコネクタピン配列の誤り(A結線orB結線になっていない)箇所を発見、現場代理人に修理を指示し所要の性能となったことを確認。
- これにより品質を担保でき安定した接続が可能となった。
最後に
1級に比べればだいぶ書きやすいと思っています。
40歳超えて受験したため、20代の時の電気工事の2級のように一般的なことしか書いていないということではなくて、現場特有の問題点のようなことも意識しました。
書くスペースは上記で目いっぱいくらい(小さい字で書いています)です。文字数の参考になればと思います。
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