【電験3種】CBT方式の合格基準点に調整はある?60点?

電気主任技術者【第3種】

 電験3種で「CBT方式」を選択された場合の合格基準点について紹介します。結論は「筆記方式と同じく調整がある」となります。理由を以下に説明します。

アンケートのお願い

もしもCBT方式で60点未満で合格できた方がいらっしゃったらアンケートのご回答をお願います。

合格基準点について

 電気技術者試験センターが公表している受験案内での「合格基準」には、次のような記載があります。

電気技術者試験センターの受験案内(令和5年度下期電験3種)によれば「原則60点」で「試験の難易度等から調整する場合がある」と記載されています。

引用元:令和5年度 第3種電気主任技術者試験(国家試験)受験案内[下期受験者用]

※2が「試験の難易度等から調整」にかかっていて、※2の解説が「CBT方式で~申込マイページから確認できます」と記述されているので、マイページでの合否確認時に合格基準点も確認できそうですが、実際には合否だけが表示されます。(※2の場所と解説がリンクしていないように見えて意味がいまいちわかりません)

 また、「CBT-Solutions CBT/PBT試験 受験者ポータルサイト」において確認すると、以下の記述がありました。こちらでは、得点調整の記述はないものの、「原則」の文字は付いています。

科目合格基準各科目 合格基準点:原則60点
引用元:令和5年度第三種電気主任技術者下期試験(CBT方式) | CBT-Solutions CBT/PBT試験 受験者ポータルサイト

第三種電気主任技術者試験に係る問題作成方針

 電気技術者試験センターでは「第三種電気主任技術者試験に係る問題作成方針」という資料が公開されています。この中で、次の記述を見つけました。

第三種電気主任技術者試験(筆記方式、CBT方式)は、(中略)60点未満であっても、受験した問題の難易度を勘案して合格とする場合がある。

これは場合によってはCBTも合格基準点を引き下げられることがあるように見えます。

なお、令和5年12月1日付けのものは令和6年度の試験を指し、令和4年度12月1日付けのものは令和5年度の試験の問題作成方針となります。

令和6年度第三種電気主任技術者試験に係る問題作成方針
令和5年度第三種電気主任技術者試験に係る問題作成方針

令和5年度(下期)試験結果まとめページ

 2024年4月8日の令和5年度第三種電気主任技術者試験の結果画面において「CBT方式の合格基準は、試験問題により異なることから」という記述がなされました。CBT方式でも得点調整があることは間違いない記載内容です。

試験当日(試験終了直後)は得点だけ表示される

 CBT試験当日の受験完了直後には画面に「得点だけ表示」されます。そして、試験約2週間後に「合否」がマイページで表示されるようになります。

このことから、「合格基準は一律60点ではない」と予測できます。一律60点であれば試験直後に合否も表示されるのではないかとも思えます。つまり試験後に何らかの処理が入ってから合否が発表されるようになっています。

合否は各受験者の試験約2週間後にマイページで確認になる

 CBT方式の各科目に対する合否は、全員が試験を終えた後一斉に同一日に発表するわけではなくて、受験日の約2週間後に個々のマイページで確認する仕組みです。ということは、受験者全体の得点や問題の難易度を勘案して合格基準を検討するようなことはできません。

 また、CBT方式の性質上、出題される問題は人によって異なるため一律で合格基準の調整は難しいと想定されます。ひょっとしたらいくつかの出題パターンがあって、それらに対しての得点や難易度から合格基準点を算定しているかもしれませんが明らかではありません。

 「全員が受験を終えてから合格基準点を検討」をしていないことだけは明らかです。

マイページの受験結果の表示内容

 試験約2週間後に確認できる受験結果の内容は次のとおりです。得点は確認可能ですが、合格基準点は載っていません。

申込情報
試験
第三種電気主任技術者試験2科目受験
受験日時
2024年2月3日(土)14:30
テストセンター名
XXXXテストセンター
受験番号
XXXXXXXXXX
科目受験結果
受験開始日時
2024/02/03 14:23
受験終了日時
2024/02/03 17:30
総合スコア
 理論:60点 電力:75点
結果公開日時
2024/02/17 12:00
科目結果
 理論:合格、電力:合格

電気技術者試験センターのプレリリース資料では公表されない

 筆記方式を含めた電験3種の試験がすべて終わった後に、電気技術者試験センターが合格基準等を公表(プレリリース資料)していますが、この中には筆記方式の合格基準しか載っておらず、CBT方式の場合は「既にマイページに科目の合否結果を表示しております」の記述があるのみです。

これまでの筆記方式での合格基準点の傾向

 筆記方式に関する合格基準点について詳しくは以下の記事でまとめてありますが、60点を超えるような合格基準点になったことは過去一度もありません。下がることは何度かあります。CBT方式においても同じだと思いますので、合格基準点が上がることはないと考えられます

【2024年4月4日追記】電気技術者試験センターへ問い合わせたところ教えてくれました。「原則60点」で調整がある。下がるだけではなく上がることもある。電気工事士は64点のことがあった。

まとめ

 ここまでの考察をまとめると、CBT方式の性質から全員が同じ問題ではなく、個々の得点調整までは難しいとは思える、一方で受験2週間後に合否が出ることおよびCBTポータルサイトの記述に「原則」の記述があることから、合格基準点に調整があるのではないかと読むことができます。

【2024年4月4日追記】電気技術者試験センターへ問い合わせたところ教えてくれました。CBT方式も得点調整がある。下がるだけではなく上がることもある。基本的には60点ですが、安心してはいけないようです。考察など関係ありませんでした。聞いたら分かる情報でした。