【合格体験記(電験1種)】誘導機様

第1種電気主任技術者

【No.002(2007.06.05)】

勉強

 2種一次試験の時に、三角関数の計算ができなかったとテブナンの回路計算を間違えたことの反省もあり、電気回路に立ち戻ってやり直しました。

図書館で借りた 「電気回路入門(発展編)」とやらの回路関係の問題集を片端から解きました。正月は回路計算で尽きました。いろいろなやり方で解いてとにかく計算に自信をつけることを目標にしました。

1種は、「参考書が1種1次試験の完全対策」1冊しかありませんでした。買うべし。1種は、1次試験からむずかしいと感じました。理論も大学レベルになります。今回も理論でスタートダッシュをかける作戦をとることにし、大昔からある「電磁気学演習」をやることにしました。微分積分を堪能しました。また、1種の過去問には零相、正相、逆相なる問題があるようでしたので、禁断の対象座標法に手を染めることにしました。

最初は、なんのことやらわかりませんでしたが、単相負荷をかませた三相回路の不平衡度が簡単に解けたのをきっかけに計算プロセスが理解できました。

そういえば、大学でやった行列の対角化と似ています。図書館で電気学会の送電工学なる赤い本を借りて、2線地絡や2相短絡やらその変形のケースをひたすら繰り返し解き続けました。このころ、字を書きすぎて腱鞘炎気味になったのには閉口しました。

過ぎたるは及ばざるがごとし、です。
1種は、論説面にも力を入れることにしました。文を書くのは慣れていますので、どれだけほらふきネタを仕入れられるかが勝負です。図書館の電気工学の書棚は、全部目を通してました。理解できない部分も眠気と戦いながら一読しました。振り返るとこれが大いに役立ちました。過去5年分の過去問集は繰り返し解きました。pu法も身につけました。

1次試験

試験会場は、2種のときと同じでした。駅から会場までを歩く間に、来年はここを歩かないときつく己に言い聞かせました。趣味の電験に回り道はないのです。過去問を俯瞰すると、どの種目もB問題の配点が大きく、たとえば理論ではB問題2問とA問題1問で十分合格ライン達することがわかりましたので、とにかく各種目において、B問題から手をつけることにしました。

さすがに1種1次の理論は、計算させてくれました。理論の「B問題の1問目は一番単純なポアソン方程式を5分で完了、テブナンの回路計算はいかに丁寧に計算をすすめるかの問題でした。いける、と思いましたがテブナンに時間を掛け過ぎました。最後の電流値を分数で計算しようとしたため、時間がかかりました。

途中で面倒になり少数で計算して済ませました。ここで時間を使いすぎたため、磁束の計算をした後に、不平衡回路のベクトルは目で解きました。ブリッジ回路は手が付けられませんでした。残念。とはいえ、正月の回路訓練は効きました。

電力Bはなにやら見たことがある問題ばかり。直流送電の山も当たりました。機械Bは、待望の照度計算。投影方向を慎重に確かめながら計算完了。電力・機械とも初見の問題は、とにかくこれは解けると自己暗示をかけながら時間一杯考えました。とにかく試験場で考えることです。チョコを食うことです。法規もなんとか終わりました。

楽勝と思っていたら、帰りの電車で法規の間違いが多いことに気づき暗くなりました。B問題がなんとかなっているようでしたが、結果通知が来るまでは安心できないと思いました。

幕間

「1種二次試験の完全対策」を買いました。半分は、どこかの参考書にある問題の多くが、1種の過去問であることが判明しました。対象座標法と突極型同期機の計算をたくさんやりました。やりすぎはいけません。同じ問題を10回も解くと、思考せずに問題が解けてしまうため、逆効果になります。

2次試験

相変わらず計算問題にかけました。電力・管理は、朝電車の中で記憶したばかりの同期機の可能出力曲線の問題でした。これを5分で片付け、送電電力の問題にかかりました。

2次式の判別式の問題であることはすぐにわかったため、間違えないように慎重に計算しました。確率の問題は、見たことがありませんでした。それにしても、故障確率の定義式も書かずにずいぶん乱暴な設問だと思いました。でもこの定義を書いちまうと、この問題は3種程度になってしまうため致し方ないのかもしれません。

残り1問は、落雷対策の問題にしました。へそをとられた私としては、この手の問題を解いたことはありません。


(1)のみ自信あり、あとは適当です。雷は横目で見た雷撃図を思い出しながら、ピタゴラスしました。時間が足りませんでした。送電問題に時間を掛け過ぎました。自信がありませんでした。

機械は、山が当たった同期機の並列運転からやりました。変圧器の並列運転のつもりで解いたため、途中でまちがいに気づいて焦りました。手になじんだpu法で時間が稼げたのが幸いでした。20分を残して自動制御にかかりました。またもや面倒なブロック線図です。意表をついたゲイン線図以外は、力任せに解きました。とにかくくたびれました。

幕間

標準回答と照らし合わせると、辛めに見て105点でした。180点の60%に足りません。二次試験が終わったとたんに、電験熱が一気に冷めました。実際、合否はどうでもよくなりました。ネットでの検索もしませんでした。家に郵便が来て、合格を知りました。
いまとなっては、勉強の目標がなくなってさびしいです。

結論

電験1種は、本当にむずかしい試験でした。ネットに書き込みしている時間があれば、誘導機の計算でもすることを強く勧めます。それにしても、電験と実際の電気の仕事はほとんど関係ありません。
とはいえ、電験を勉強する過程で、停電なしに安定した電力供給を実現している電力関係者のみなさんの努力が理解できるようになりました。