リミッター(アンペアブレーカ、電流制限器)の仕組み・原理

送配電

 リミッターとは、電力会社と契約された電力を超えた負荷電流が流れた場合に電気の供給を自動的に遮断する装置です。アンペア(契約容量)を超える電気が流れた場合に遮断します。ここでは、そのリミッタの仕組みや原理について説明します。

こちらの記事は「鹿の骨」さんにご投稿いただいた貴重な資料です。いつもありがとうございます。

リミッター(アンペアブレーカ、電流制限器)の仕組みについて

今回の「お題」はリミッタです。
電力会社との契約は種類が色々ありますが、此処では、低圧の契約で「従量電灯」という契約の内、「リミッタ契約」という種類に用いられる「電流制限器」に関して記載します。
この仕組みを理解していないと、とんでもないことになりますので、確実に理解しましょう。

貧電工寄生 サイタマドズニーランド大学 学長 鹿の骨
平成 鹿年 骨月 吉日

早速ですが、下図を見てください。
これは「50A契約」の場合のリミッタ構造図です。(正確にこれで正しいかは疑問?)
これを見て即座に原理が理解できる方==>下記以降の説明を読む必要はありません。
これを見てナンジャコリャと思った方==>下記以降の説明を辛抱強くお読み下さい。

上記の回路の動作を理解するために下図を考えてください。

上記の回路の電流計の値は幾つか?
当然の話ですが、電流計の振れは「25A」を指します。(幾ら何でもこれがワカランとは言うなよ。)
この回路の電流計を2セット用意します。下図参照。

前ページの電流計は各々が「25A」の値を指します。(当たり前の話。)
ではこれを、下図のように接続したら、電流計の指示値はいくつになるでしょうか?

この場合の電流計の指示値は「50A」になります。
25[A]と 25[A]が加算されて、50[A]になります。<==もの凄く重要!電流の足し算が出来る!!
この回路を変形して行きます。図5~図8の順。

図5~図8は全て同じ回路です。
電流計の指示値は全く変わりません。
この電流計を、過電流継電器に置き換えたものを次ページに示します。

電流計の代わりに過電流継電器に置き換えたものです。
最初の図1の回路図になります。

動作の一例を示します。
下図のように、不平衡負荷が繋がった場合です。

この場合、過電流継電器には35A+15A=50Aの電流が流れますので、継電器がメイクする直前になります。
+αの電力を使うとトリップします。
もう一例を描きます。

この場合、過電流継電器には20A+30A=50Aの電流が流れますので、継電器がメイクする直前になります。
+αの電力を使うとトリップします。
尚、このリミッタは電力会社に依っては無い場合もあります。
東京電力の場合ですと、10,15,20,30,40,50,60Aの契約種別があります。

オシマイ

リミッタの仕組み【PDF版ダウンロード】