第1種電気工事士および第2種電気工事士の学科(筆記試験)の免除制度と、制度見直しが検討されている「学科試験免除期間の延長」について記事をまとめます。
電気工事士試験の学科試験免除について
第1種電気工事士および第2種電気工事士では、いずれも学科試験の免除制度が存在しています。
ご自身が該当する場合には効率的な受験が可能なため、かならず確認しましょう。
なお、主には次の2点により免除が受けられます。
上限に該当しても「手続き」しなくては免除になりません。
第1種電気工事士 学科試験免除条件
免除項目1 | 前回※の第一種電気工事士学科試験の合格者 |
免除項目2 | 1) 第一種・第二種は第三種電気主任技術者免状の取得者 2) 旧電気事業主任技術者資格検定規則による電気事業主任技術者の有資格者 |
「電気事業主任技術者」は今は取得することのできないライセンスです。
※第1種電気工事士は令和6年度より初めて年2回開催となったため、令和5年度学科試験の合格者は特例として令和6年度の上期または下期試験のいずれかに学科試験免除の権利を行使できます。
第2種電気工事士 学科試験免除条件
免除項目1 | 前回の第二種電気工事士筆記試験に合格した方 |
免除項目2 | 学校教育法による高等学校若しくは旧中等学校令による実業学校又はこれらと同等 以上の学校において、電気工事士法で定める電気工学の課程を修めて卒業した方 |
免除項目3 | 1) 第一種、第二種又は第三種電気主任技術者免状の取得者 2) 旧電気事業主任技術者資格検定規則による電気事業主任技術者の有資格者 |
免除項目4 | 改正前の鉱山保安法第 18 条の規定による試験のうち、電気保安に関する事項を 分掌する係員の試験に合格した方 |
免除項目5 | 旧自家用電気工作物施設規則第 24 条第1項(ヘ)及び(ト)の規定により電気技術 に関し相当の知識経験を有すると認定された方 |
免除項目2が該当する方は多いのではないでしょうか。
私のように工業高校(電気科)や工業大学卒業の方は詳しく確認をしてみてください。
また、卒業証明は次のフォーマットが必要なようです。
申請手続きについては、受験案内をご確認ください。
学科試験合格に伴う免除期間について
年2回開催している場合、1年間(2回)有効なのか、1回だけ有効なのか迷われる方もいると思いますので詳しく解説します。
現在の制度では、1回のみ
①上期学科試験に合格した場合
学科試験免除の権利は、その年度の下期試験だけに有効
②下期学科試験に合格した場合
学科試験免除の権利は、次年度の上期試験だけに有効
※第1種電気工事士は令和6年度より初めて年2回開催となったため、令和5年度学科試験の合格者は特例として令和6年度の上期または下期試験のいずれかに学科試験免除の権利を行使できます。
法的根拠
電気工事士法施工令に次の記述があります。
(学科試験の免除)
引用元:<電気工事士法施行令(昭和三十五年政令第二百六十号)>
第九条 (略)
2 (略)
3 学科試験に合格した者に対しては、その申請により、次回のその合格した学科試験に係る試験と同一の種類の試験の学科試験を免除する。
(技能試験)
第十条 技能試験は、当該試験の学科試験の合格者又は前条の規定により学科試験を免除された者に対し、第八条第一項の表の上欄に掲げる試験の種類に応じて、それぞれ同表の下欄に掲げる科目の範囲内において、経済産業省令で定めるところにより、必要な技能について行う。
電気工事士試験における学科試験の免除期間の見直しについて
学科試験の試験合格による免除期間は上記のとおり「次回の1回のみ」ですが、これに見直しの検討がなされています。
次回と次々回の2回に見直ししようとしている。
詳細は、「電気保安制度ワーキンググループ 第15回(2024年3月19日開催)」に次の資料が掲載されていることで確認できます。
これまで1年準備できたものが半年の準備期間に縮んでしまうという不利益を解消しようとするもの。「次回か次々回のいずれか」にすれば問題なさそうだが、「次々回に解される試験まで」延長にするとは、受験者にはありがたい見直しになると思います。
法改正も伴うことから、実際に実施するのか・いつからなのか?は不明ですが、電気工事士の有資格者不足を背景に実施していく方向になるものと思います。
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