【1級電気工事施工管理技士】管理人の合格体験記

電気(通信)工事施工管理技士

 私の実務経験は、1級電気工事施工管理技士 施工経験記述例 でも述べたように、「施工監督(発注者の立場での工事監理業務)として、「変電設備工事」にあたる工事経験です。変電所の主機(110kV遮断器・断路器)の更新工事で据付・調整や電線張替の工事などの業務経験となります。

どんな工事が実務経験になるのか分かりづらいので、自分の経験が怪しげな場合は必ず事前に確認した方がよいと思います。今回の工事は疑いようのない電気工事なので問題はなかったですが。この試験は、願書の書き方も複雑で分かりにくく、受検するための手間は最悪です(笑)

 受検年度:令和5年度 の合格体験記です。

電気工事施工管理技士(1級)1次試験

(1次試験)受検準備

(学習期間)
 約2週間(5/26~6/11)

(試験概要)
  午前:57問中31問選択して回答 四肢択一 2時間半
  午後:35問中32問選択して回答 四肢択一or五肢択一 2時間半
 (注)最後までいないと問題用紙は持ち帰れない。

(学習方法)
 メルカリで過去問集を1冊購入。2022年度版で最新より1年古いものです。勉強方法は、いつものように、いきなり問題を解く方式。不明点は、ネット、youtubeで調べる。問題の傾向や何を知るべきかは過去問に取り組むのが最適です。(テキストは不要と判断して購入していません)

純粋な電気の試験は久しぶりで少し楽しみ。

 電験に出るような理論、電力、機械のジャンルは難易度低めです。電験3種より簡単レベル。そのほかの火災警報装置、照明装置、電車設備の辺りは苦手分野です。特に電車設備はまったく知らないから2級のときは勉強自体避けています。

 午後は法令(建設業法、労働安全衛生法等)です。このあたりで定番で出題される内容は昨年受検した2級電気通信工事施工管理技士の記憶も残っているので比較的楽です。

 この試験は、問題数が1回あたり92問もあるので、大変でした。1日でどうにか1年分はできるけど、苦手なところも含めて(一応、電車設備も調べた)勉強するのに時間がかかってしまいました。

選択問題が多く準備されているので、苦手分野は思い切って捨ててしまってもよいと思います。92問中60問解答すればよく、さらにその中で6割正解すればよい試験です。92問中36問の正解でよいので実質4割解ければ合格です。なので、例えば計算が苦手な方は「計算捨てる」ような戦法もありです。

前日くらいまでに8年分の全問題は大体解ける(もしくは丸覚え)ようにしていました。電気の試験だったので、楽かと思ってしまったのですが、苦手分野はけっこう苦しかったです。

 勉強方法としては最近アプリを取り入れています。電気工事施工管理技士も(少し高かったけど)有料アプリがあったので、そちらで反復練習させていただきました。同じ問題も出ることもあるので、過去問しっかり解いておけば十分です。

(最終仕上げチェック)
 最近はこの手法をよくやるのですが、直近の最新の問題は最後にやるようにしています。前回の問題は出題されないことが多いので敢えて問題は直前までみません。ここまでの勉強を経て、前年受けた場合に合格できたのかを確かめることで習熟度の目安にしています。今回は1年古い本だったので、どのみち前回(令和4年度)の問題は載っていませんが、私はこういう勉強方法をしているので特に問題としていません。今回も令和4年度を初見で解いてみて問題なく合格ラインに達していることを確かめました。こうすることで自信を深めることができます。

(1次試験)試験当日

・午前(令和5年度実績):10:15~12:45
・午後(令和5年度実績):14:15~16:15

 当日は午前、午後とも2時間半の合計5時間の長丁場。途中退室もできるけど、問題が持ち帰れないので最後までいる計画です。トイレにいきたくならないように、水分控えめで臨みました。

(午前)
 選択問題が多いので分からないのはどんどんとばかして大丈夫です。一通り最後まで解いて、足りない問題はもう1周してとばかした中から選びなおす。何度か繰り返して、あと数問選べてないくらいでいったんマークシートを塗る。問題番号間違えてないか要注意。何度もチェック。そして迷っている問題をゆっくり解く。塗る。見直し。これらをやっても1時間半程度で終わり。

 ちなみに今回は結構がんばった電車設備の問題ですが結局あんまり分からなくてほとんど選択しませんでした。残念。過去問と同じ(ような)問題なら問題ないのですが、専門外だとしっかり理解できていないからちょっと変えられると分からないです。(それなりにネットやyoutubeで勉強はしたのですが)

 試験時間はめちゃくちゃ残ります。『完璧』と確信したら終わるまで眠っていました。(1時間くらいは眠っていたと思います)12時45分に午前終わり。午後は14時15分からです。待ち時間ながーい。

 午前・午後ある試験についてですが、私は普段は昼休みもうろうろせず集中できるように食べ物持参しています。しかし、この日は時間があり余っているので、席に座っているとむしろ集中力が続かないので気分転換も兼ねて外で食べて気持ちをリフレッシュしてから午後に突入しました。

(午後)
 午後は得意な法令問題が多いし問題数もすくなくあっという間に終わり、1時間程度で終わったので後の1時間半は眠って待つ。最後までいる人も相当少ない状況でした。

 途中退室で問題持ち帰れないのはやめてほしいなぁ。ほかの試験はこんなことないんだから不正対策だとしても、有効ではないと感じる。無駄なことをしている(試験官も無駄に待つのだろうし)、と感じる。

(1次試験)試験結果

 午前:29問/31問(93.5%) 正解
 午後:23問/32問(71.9%) 正解

 午後は余裕かました割にちょっと悪かったです。でも余裕で大丈夫でした。よかった。

電気工事施工管理技士(1級)2次試験

(2次試験)受検準備

(学習期間)
 約4週間(9/10~10/15)
 この年(令和5年度)は電気通信施工管理技士の1級(1次)が9/3にありましたので、これに続く感じで勉強しました。1週間程度休んで、9/10頃から施工経験記述からに取り組みました。

(試験概要)
 問題1 施工経験記述
 問題2 作業種別に対する労働災害防止について(記述)
             or
     電気工事における品質確保するための方法(記述)
 問題3 電気工事に関する技術的な内容を記載(記述)
 問題4 計算問題(五肢択一)
 問題5 法令(五肢択一)
 (注)最後までいないと問題用紙は持ち帰れない。

(学習方法)
 メルカリで過去問集を1冊購入。2023年度版の最新版。誤って2冊購入されたうちの1冊を出品されたらしい。とってもラッキーです。(テキストは不要と判断して購入していません)

まず取り掛かったのが、「施工経験記述」の下書き。
ひとまずパソコンで下書きをしました。過去の出題傾向を見て、どのパターンの記述例を作るかを調査。昨年(令和4年度)受検した2級電気通信工事施工管理技士であれば「工程管理」「品質管理」「安全管理」のいずれか1テーマに対して課題と対策を各1つずつだったので、3つ作ればよく、非常に楽でした。

入手した過去問(令和4年度~平成25年度)により、1級電気工事施工管理技士の試験では、さまざまなパターンが必要であることが分かり、次の準備をしました。

(準備した下書き)
・「工程管理」・・・留意した事項2つ、それぞれの対策を各2つ
・「品質管理」・・・「計画~引き渡しの間」の留意した事項1つ、対策を2つ
・「品質管理」・・・「機材の搬入時および保管時」に留意した事項2つ、対策を各2つずつ
・「品質管理」・・・「施工終了から引き渡しの間」に留意した事項2つ、対策を各2つずつ
◎「安全管理」・・・「墜落災害」の留意した事項1つ、対策を2つ
・「安全管理」・・・「飛来落下災害」の留意した事項1つ、対策を2つ
・「安全管理」・・・「感電災害」の留意した事項2つ、対策を各2つずつ

これだけ準備するのはとても大変でした。

また、書き始めると長くなる(私はいつも文章が長くなる)から文字数意識して120字程度になるように整理していきました。パターン数が多いので全パターン作るのに1週間程度かかってしまいました。しかも、数年前の工事だったので思い出す必要があり、過去の仕様書を読んだり停電工程ステップや工事工程表を改めて確認する作業をしてそれぞれのタイミングの課題を思い出す必要もあり、少し大変でした。ちょうどこの頃に当時と同じ現場へ行く機会があり、改めて作業場所を見て作業を思い返したりしました。2級より準備がだいぶ大変です。

 令和5年度に出題された形は、過去10年分では初の、『墜落災害のみ』に絞って「留意点2つ、それぞれに対策2つ」でした(以前は、「墜落災害」+「落下飛来災害」で2つの問題、4つの対策でよかった)ので準備不足で少し困りました。

高所作業に対する留意事項が必要なシチュエーション2つに対して、対策は4ついるから墜落災害に特化して対策4つ必要となります。墜落災害に対して4つ対策を書こうとすると、似た内容になってしまい(私の引き出しが少ないせいか)書きにくかったです。今回は「高所作業車の作業」と「機器の上部作業」があったので、準備していたものに加えて追加の1つはその場でがんばって書きました(一応、もし「2つ」でたらという想定で何書くかは考えていたけど、下書きまでできていなかった)。

上記を作るのだけ4週間前~3週間前くらいにしました。この記述さえ準備していれば大丈夫かな、という気持ちでした。

~1週間あまりサボリ~

残り2週間前から技術的な部分の学習開始。

【問題2】
 与えられた語句4個の中から2つ選び、用語に関連することを2つ具体的に書く。という問題。過去問により、2ジャンル(労働災害防止か品質確保)のどちらかが出題され、それぞれのジャンルに対して6~7種類の語句が出題されていることが分かりました。(つまり13種類程度の語句に対応しておけばOK)

出題はこのうちの4つが提示され、このうち2つの語句を選び、それぞれに2つ記述すればいいらしいことが判明。この問題2は、出題される語句13種類すべてに対して解答予定の文案を作成してポイントを覚える作業をしました。

【問題3】
 与えられた用語12個の中から4つ選び、技術的な内容を2つ書く。という問題。問題2に似ている感じです。候補の用語が多いので絞り込みが難しく、過去問全部やっていく作戦。まったく無勉強でも何かは書けそうな感じですが、「2つ具体的に」となると難しい(50文字程度必要)。

過去問をさかのぼって模範解答を作っていく。ちなみに重複が多く平成26年度まで遡れば1度は見たことある語句が殆どになるので、平成26年度までやりました。
結果的に40個弱の用語を対策して書けるようにしました。(苦手の電車設備関連は一切勉強せず全部とばかしました)

【問題4】
 計算問題枠です。あんまり難しくはない感触。令和3年度から計算になったようで、まだ過去問的には2回しか実績なしでした。令和2年度以前はアロー形ネットワーク工程表枠で、「問題文からネットワーク工程表を作図」するような問題。実はこっちの方が出題範囲絞られててよさそうだし、前年から「2級電気通信工事施工管理技士」や「1級電気工事施工管理1次」「1級電気通信工事施工管理1次」を立て続けに受けているので、この手の問題が得意だったので、ネットワーク工程表の方がいいな、という状況でした。一応念のため、ネットワーク工程表の問題も一通り練習しておき、ほとんど正解できる状況だったので大丈夫であることを確認。

計算問題は2回しか過去出題実績なくどんなジャンルが出るか分からず、手広くするのも大変なため、買った過去問集に乗っている予測問題(17問)だけやった程度です。(そこから1つ出題。ラッキーです)

【問題5】
 法令問題枠です。令和2年度までは過去記述式で、決まったパターンの出題だったようですが、令和3年度以降は虫食い箇所の選択問題です。選択問題だから大丈夫かなと思い、範囲も広く出題数が少ないので過去問10年分だけ覚えた程度です。

残り2週間で上記の準備や確認作業をして、あとは書く(アウトプット)の練習。整理するのに1週間を費やしたので、あまりアウトプットは練習できていない状態でした。やり方は、「便せんに(めちゃくちゃ汚い字でだけど)だーっと書いていく」練習。

試験1週間前の月~木で1日1時間程度、試験前々日(金曜日)に午後から仕事休んで6時間程度、前日(土曜日)6時間程度書く練習に充てて、アウトプットの確認作業をやりました。

施工経験記述は下書き量が多いので、言いたいポイントは覚えてるけど言い回しが覚えられず文字数が増えたりして大変でしたが、前日(土曜日)には「絶対合格できる」と思えるレベルにはなっていました。

(2次試験)試験当日

 試験はなんと午後からです。午前中に終わる方が午後の時間を有意義に使えるので、午後からの試験だと1日がなくなってしまい、少しめんどうで嫌かなぁと感じます。
 試験地(岡山→香川県高松市)に早めに移動して、午前10時過ぎくらいから、スタバへお邪魔して12時くらいまで復習させてもらいました。別の施工管理(管工事だったか)の勉強している方もいらっしゃいました。

 途中お昼食べていったらギリギリ12:40分着くらいで少し焦った・・・。

  12:45-13:00 事前説明
  13:00-16:00 試験本番 3時間もあります。

 お得意の「最後までいないと」試験問題は持ち帰れません。

トイレ対策で、水分控えめの午前(スタバには行ったが)です。
試験開始後、配布問題をざっと見て、全部対策できていることを確認し、安心して試験スタート。

【問題1】
 施工経験記述。大体準備できているのでアウトプットするだけですが、墜落災害2つ書くのは準備してなかったので少し戸惑う。それから丁寧に文字を書く練習をしていなかったので、手がだるーくなりながら書き終える。40分程度かかったと思う。

【問題2】
 完全に準備できている語句だらけ。よりどりみどり状態でした。書きやすい2つをチョイスして丁寧に書き込み。

【問題3】
 問2同様の状況。提示された用語12個のうち、2つが電車関連、1つが信号関係、1つがテレビ関係で専門外の用語だったため、12個のうち、4つは書けないけど、残り8つは対策済で問題なしです。この中から書きやすい4つをチョイスして丁寧に書き込み。

このあたりで1時間30分くらい。

【問題4】
 やっぱり計算問題でした。電線の抵抗算出と支線張力の問題。これはまず大丈夫。

【問題5】
 建設業法は大丈夫な感触ですが。電気事業法・・・は。ん?見たことがない条文。仕事がら知っていないといけないような気がするが、見たことがないし、日本語的な予測もできない問題。これだけわかりませんでした。後から調べたら×でした。

総じてできた感触。「多分大丈夫!」と思ったタイミングで2時間経過。残り1時間。もう一度全部の記述内容を見直して残り50分。

~ここからどうでもいいことです~

書くのにかなり疲れたので残りは休憩するか、とも思ったものの記述した内容はあとからホームページで公開したいのでどうにか書き写したい。もう腕は書き疲れて相当なダメージを負っており、体力が残り少ないが・・・。

全部書き写す!

ということで施工経験記述のみならず問題2,問題3も全部書き写して残り5分。受検番号最終チェックして終わり。疲れたー。

(2次試験)試験結果

 私が書いた答えは下の記事にすべてまとめました。公式解答が出ないし、採点結果も分からないですが、法規を3問間違えた以外は多分大丈夫だと思います。

試験の準備(当日より前)で8割試験が終わっているような試験だ、と思いました。出る問題がほとんど分かっている試験なので。準備してないと厳しいと思います。

最後に

 1次試験は、選択問題がとても多くて4割弱解ければ合格できますし、2次試験は出る問題が概ね分かっているので準備しやすい試験です。また、実務経験縛りで選ばれた方が受検するから、という理由もありますが、それでも5割くらいの合格率なので比較的合格できやすい試験だと思います。

 受検資格を満たしておられる方はぜひ受けて見られてはと思います。

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