この記事は2010年12月11日に、『すんた』さんより情報提供いただいた実際に免状交付された実務経歴証明書の記載例ほかの紹介です。本物ですので、これ以上の資料はないと思います。貴重な資料をいただいたすんたさんに大感謝です。ありがとうございます。
認定までの体験記
◇平成22年11月15日
〇〇保安監督部電力安全課に電話
申請の予約を行う
◇平成22年12月6日
〇〇保安監督部電力安全課に電話
最終提出の予約を行う。(前回の予約と相違点なし)
(持参物)
申請書関係一式・工事計画届出書(安全審査検査時に提出した控)・施工図(完成図)
※今回、私は1週間おきに申請したが、時間を考えなければ、2、3日おきの申請も
可能であると思う。
感想
①正直、あっけないくらい簡単に事が進んだと感じた。
②私は業務において、国交省や通産省等と打ち合わせることが多く、対応についてそれほど緊張しないで応答できた。
③実務経歴の確認の中で、担当者は話をしながら申請者の技量を計っている感じがした。結果的に、上記の経緯のような内容になるが、それ以外の担当者との会話に淀みなく的確に返答できたことで、突っ込んだ質問や応答がなかったのではないかと感じた
④他の申請者とのやり取り(一例)
担当者 遮断電流が12.5KAであることの確認はしましたか?
申請者 電力会社からの推奨値です。
担当者 ではこの電気工作物の受電点三相短絡電流は確認していますか?
申請者 ・・・・・・・
担当者 日常点検で、各機器類を点検したとありますが、どのように点検しているのですか?
申請者 目視です。
担当者 具体的に何を目視しているのですか?
申請者 ・・・・・・・
担当者 音やにおいなどで確認することはないのですか?
申請者 ・・・・・・・
⑤大学を出て電気管理の業務につけば、最短24歳前後での取得が可能なわけであるが、上記のようなやり取りが、当たり前にできる経験が必要なのでは、と感じた。
私は業務の中で、基本は施工管理であるが、納めた現場の事故やトラブルに対し、主任技術者や客先と一緒に解決や相談に対応してきており、また上記役所や電力会社とも実際に相手をしてきた自信があった。最終的に、認定申請してきた人物が、主任技術者としての業務を遂行できるか、と言う判断をしているように感じた。
⑥噂では、一字一句の間違いも指摘される!と言われているが、実際は左記のような状況でも受け付けてもらえた。また提出した書類を再確認してみると、文字の抜けや誤変換等いくつか見つけられたが、 そのような部分でのやり直しは特に指示されなかった。
経歴
大学卒業後、サブコンにて電気工事の代理人として施工管理を行う。(約12年)
大手ゼネコンの設備担当として、施工管理を行う(約10年)
年齢 47歳
認定取得のきっかけ
主任技術者の業務についてはあまり興味がなかったので、試験(電験)を受験する考えはまったくなかった。6,7年前に海外赴任し、約3年の海外経験の中で、技術移転のためには自分がもっと勉強しなければと考え平成21年の3種を受験した。
3教科合格であと1教科となったが、来年また海外業務の打診があり、受験できない可能性があるので その前に認定取得に挑戦してみた。
その他
①申請時間は日をずらしてでも、朝一番か昼一番が良いと思う。
(前の申請者に時間がかかると、自分の番の時間が少なくなる。)
②実務経歴書の指摘が多くても、最終的にはOKとなる。
が、証明印や契約書の写しなどに不備があるとOKにはならないことに注意する。
(現に、「ここ事業所の証明印が申請に必要です」、と言われてがっくりしている申請者もいた。)
③今回私の現場は、特高受電のとても大きな現場であったため、1つの現場での経歴で対応できたが、 6.6KV受電、500KW程度の現場で考えると、1年の経歴と言っても3~5現場ほど必要である。 その場合、全ての現場の工事契約等を揃えるのはひじょうに困難であるし、実際は5年以上の経験が 必要であると感じた。
実務経歴証明書記載例
実 務 経 歴 証 明 書 | |||
(ふりがな) 氏 名 | (○○ ○○○) ○○ ○○○ | 生年月日 | YYYY年MM月DD日 |
本 籍 | |||
現 住 所 | |||
勤務先及び 役 職 名 | 東京都○○○○○○○○○○○○○○○○ 株式会社 ○○○○○○○ (TEL)○○○-○○○-○○○○ ○○○○○○○○○ 設備担当 |
略 歴 | |||||
期 間 | 役職名 | 職務の内容 | 電気工作物の概要 | ||
自 | 至 | 年数 | |||
平成○○年○月 (株)○○○○に入社。 ○○建設㈱への派遣業務に従事する。各種建築工事に赴任し、設備担当者として設備工事全般を担当。 | |||||
平成20年12月 | 平成22年6月 | 1年7ヶ月 | 〇〇設備担当 | ○○○○○○○○新築工事 1、概要 建設〇〇(元請)設備工事担当者として、事業者側(○○○○○㈱)電気主任技術者(○○ ○○ 第3種 ○○○○○)の下、 仕様書、施工図、施工要領書、機器配置図、等に基づき、右の電気工作物について、完成までの工事施工管理業務に従事した。 2、業務の実施方法 (1)勤務体制 月曜 ~ 土曜 (基本) 8:00 ~ 17:00 (基本) 全ての期間において、現場常駐 ※設備グループ 設備担当副所長(設備工事統括)の下、 機械系担当者3名、電気系担当者2名 合計6名にて設備工事を担当。 (2)担当業務 設備工事の内、電気関係業務を担当。 (図面検討、施工図確認、現場施工管理、 他職種との調整、客先・監理・設計打合、 施工管理、工程管理、品質管理、安全管理) | 現場名称 ○○○○ 所在地 東京都 ○○○○○○ ○○○○○○ 受電電圧 22,000V 契約電力 ○○○KW 受電方式 地中引込2回線受電 (本線・予備電源線) [Ⅰ]受電設備 受電用断路器 24KV 25KA 630A 2台 受電用遮断器 (VCB)24KV 25KA 630A 2台 変圧器用一時側遮断器 (VCB)24KV 25KA 630A 2台 変圧器用二時側遮断器 (VCB)7.2KV 12.5KA 600A 2台 |
3、工事施工管理業務 平成20年1月から平成22年10月まで、2年10ヶ月間、 工事現場に常駐し、電気設備工事担当者として、 元請側の立場で、各種工事の請負業者に対し、 工事の監督および管理を行った。 (500V以上の電気工作物に対する期間は、平成 20年12月から平成22年6月までの1年7ヶ月) (1)工程管理 工事現場に常駐し、全体基本工程を基に 完成までの電気工事単独工程を作成した。 また、建築の3ヶ月、月間、週間、工程を 基に詳細工程を作成し、日常業務として 電気工事の施工進捗を確認した。 (2)安全管理 工事中において、仮設電気の取扱について 巡視を行い、また工事使用中の電動工具類の 点検を行い、作業中の感電事故防止に努めた。 本設電力受電後は、電気室関係の立入り禁止 処置を行うとともに、配電盤類の施錠管理を行い、 電気事故防止に努めた。 (3)品質管理 公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編) を基に施工要領書を作成。 施工図とともに承認を得たもので現場を管理。 毎日の業務の中で、施工中の立会い確認項目 を決め、施工写真として記録に残した。 特に、材料および機器類の搬入には全数の 立会いを行い、不良物の搬入を防止した。 (4)基礎、躯体工事 (平成20年12月~平成21年6月 ; 7ヶ月) 基礎工事において、 ①発電機設備に対するオイルタンク設置に関し、 地下鉄線路に近接するために、迷走電流の 測定立会いを行った。 ②接地工事に関し、現場内全ての施工に 立会い、測定データについて確認を行った。 ③接地工事の仕様が統合接地のため、 基礎鉄骨への接続状況を、全ての箇所で 確認を行った。 躯体工事において ①施工図および躯体開口図が、他職の施工に 干渉することがないか、図面上での検討を 行った。 ②受変電設備等、設置に際して基礎が必要な 機器類に対して、基礎形状等の検討を行い、 建築部署等に手配を行った。 ③上記について、日常巡視の中で施工確認し、 定期的に検査立会いを行った。 ④躯体埋設配管工事に対して、打設前に検査 立会いを行い、仕様書、施工要領書通りの 施工であることを確認した。 | 母線連絡遮断器 (VCB)7.2KV 12.5KA 600A 2台 非常用発電機連絡遮断器 (VCB)7.2KV 12.5KA 600A 2台 高圧電気室配電遮断器 (VCB)7.2KV 12.5KA 600A 4台 高圧冷凍機配電遮断器 (VCB)7.2KV 12.5KA 600A 2台 所内変圧器配電遮断器 (VCB)7.2KV 12.5KA 600A 4台 コンデンサ配電遮断器 (VCB)7.2KV 12.5KA 600A 2台 予備遮断器 (VCB)7.2KV 12.5KA 600A 3台 高圧交流負荷開閉器 (LBS)7.2KV 12.5KA 200A 2台 特高用変圧器(モールド風冷式) 22KV/6.6KV 3相 50Hz ○○○○KVA 2台 所内変圧器(モールド) 6.6KV/210V 50Hz 3相 30KVA 1台 6.6KV/210-105V 50Hz 単相 500KVA 1台 変流器 23KV 25VA 400/5 2台 23KV 25VA 300/5 2台 6.9KV 40VA 600/5 10台 6.9KV 40VA 300/5 10台 6.9KV 40VA 200/5 2台 6.9KV 40VA 100/5 2台 計器用変圧器 6.6KV/210-105V 6台 [Ⅱ]配電設備(地下電気室) ①高圧コンデンサ盤 PF付高圧真空開閉器(VCS) PF 7.2KV 40KA 10組x3 真空開閉器 6.6KV200A 10台 直列リアクトル6.6kV 31.9Kva 10台 (L=6%) 進相コンデンサ6.6KV 266Kva 10台 | ||||
(5)受変電および配電設備工事 (平成21年5月~平成21年12月 ; 8ヶ月) ①引込位置、ルート等を検討し〇〇電力㈱殿に申請を行った。 ②各種機器類の配置について請負会社とともに検討し、配置を決定した。 ③各機器類の製作図面を検討し、配線方向、名称、向き、等の修正を指示した。 ④各機器類の工場における製品検査に立会いを行った。 ⑤各機器類の搬入について、事前に搬入業者とともに現場調査を行い、必要な補強梁等の確認を行った。 ⑥搬入、設置時に立会いを行い、製作図に 基づき、受入検査を行った。 ⑦搬入、据付時に、位置、レベル、ボルト類の適正トルク等の確認検査を行った。 ⑧機器耐圧試験、各種継電器試験について立会いを行った。 ⑨電気室の施錠管理を担当した。 (6)高圧電線路敷設工事 (平成21年8月~平成21年12月 ; 5ヶ月) ①施工図上で選択した配管、ラックが、仕様書上太さ、幅等に問題がないか検討を行った。 ②施工図上で選択した配管、ラックが、仕様書上支持材の選択、支持方法等に問題がないか検討を行った。 ③支持方法については特に耐震支持について適用クラス、適用種別に対する計算検討を 十分に行い、施工会社に指示を行った。 ④高圧配線の離隔、ルートが適正か、施工図上で 検討を行った。 ⑤ケーブル通線時に傷付けないよう、請負会社に指示を行い、確認検査を行った。 ⑥端末処理工事に対して、有資幕者の確認と施工要領書を事前に確認し、全数立会いを行った。 ⑦ケーブル耐圧試験について、立会いを行った。 (7)非常用発電機設備工事 (平成21年11月~平成21年12月;2ヶ月) ①各種機器類の配置について請負会社とともに検討し、配置を決定した。 ②防油堤等、建築工事が伴うものについて検討し、施工の指示を行った。 ③各機器類の製作図面を検討し、配線方向、名称、向き、等の修正を指示した。 ④各機器類の工場における製品検査に立会いを行った。 ⑤各機器類の搬入について、事前に搬入業者とともに現場調査を行い、必要な補強梁等の確認を行った。 ⑥搬入、設置時に立会いを行い、製作図に基づき、受入検査を行った。 ⑦搬入、据付時に、位置、レベル、ボルト類の適正トルク等の確認検査を行った。 ⑧機器耐圧試験、各種継電器試験について立会いを行った。 ⑨発電機室の施錠管理を担当した。 (8)各種試験、検査 各種試験に立会い、動作、性能等の確認を行った。 主な試験、検査は次の通り。 ①接地抵抗測定試験 ②機器絶縁抵抗試験 ③ケーブル絶縁抵抗試験 ④機器耐圧試験 ⑤ケーブル耐圧試験 ⑥各種継電器試験 ⑦総合動作試験 4、維持・運用に関する業務 平成22年1月から平成22年6月まで、6ヶ月間、○○○○に常駐し、受電後の電気工作物において、元請側工事担当者として、維持および運用の業務を担当した。 (1)監視業務 ①1回/日、特高電気室にて受電電圧、電流変圧器の2次電圧、電流、変圧器温度等の計測を行い、数値を確認した。 ②1回/日、高圧電気室にて受電電圧、電流変圧器の2次電圧、電流、変圧器温度等の計測を行い、数値を確認した。 ③1回/日、各階電気室にて受電電圧、電流、変圧器の2次電圧、電流、変圧器温度等の 計測を行い、数値を確認した。 ④1回/日、防災センター設置の電力監視盤にて記録された数値と、現場確認時の数値の整合を確認した。 ⑤1回/日、防災センター設置の電力監視盤にて異常状態確認を行い、関係業者とともに現場状況を確認した。 ⑥適時、電気工作物近辺の工事に対して、電気事故防止のため、施工立会いを行った。 (2)運用業務 ①特高電気室、高圧電気室、各階電気室、発電機室、冷凍機室、ES(各階高圧配線スペース)を工事中の電気危険場所と定め、施工者是全体に周知を行った。 ②上記場所を施錠場所と定め、施錠管理を自分が責任者として対応した。 ③毎日の施工打合せにおいて、他職の業務が電気事故に波及することがないか、確認を行い、必要に応じ、指示、監督を行った。 ④運用中に確認された、機器不良、工事不良の対応において、修理か交換かの判断を 行い、対応を指示した。 ⑤引渡しまでに行われる停電工事に対し、 十分な施工計画書作成の作成を指示し、 停復電の作業手順を確認した。 ⑥上記停電作業においては、全ての作業に立会いを行い、施工計画書および作業手順 に相違がないか確認を行った。 ⑦停電工事や工事不良等で、設置状況が変わったものに対しては、全数自主検査を指示し、検査立会いを行った。 ⑧引渡し後に運用を行う管理会社に対し、機器類の操作、運転方法の取扱説明を行った。 ⑨引渡し後に運用を行う管理会社に対し、 電気工作物の場所、ルート等を施工図等を基に説明を行い、合わせて現場説明を行った。 | ②配電盤 遮断器(VCB) 7.2KV 12.5KA 600A 14台 交流負荷開閉器(LBS) 7.2KV 12.5KA 200A 20台 配電用変圧器(モールド) 三相 6.6KVA/210V 750KVA 2台 500KVA 10台 300KVA 1台 200KVA 1台 単相 6.6KV/210-105V 500KVA 3台 300KVA 3台 [Ⅲ]配電設備(各階電気室) (2F~RF) 遮断器(VCB) 7.2KV 12.5KA 600A 24台 配電用変圧器(モールド) 単相 6.6KV/210-105V 500KVA 3台 300KVA 9台 変流器 6.9KV 40VA 100/5 3台 6.9KV 40VA 80/5 8台 [Ⅳ]非常用発電設備 遮断器(VCB) 7.2KV 12.5KA 600A 2台 ガスタービン発電機 6.6KV 2,000KVA 2台 [Ⅴ]UPS設備 遮断器(VCB) 7.2KV 12.5KA 600A 2台 スコット変圧器(モールド) 三相 6.6KVA/210V 1,000KVA 2台 [Ⅵ]負荷設備 [ターボ冷凍機 335KW 2台] PF付高圧電磁接触器(VMC) PF 7.2KV 40KA 2組x3 電磁開閉器 6.6K |
上記の実務経歴を有することを証明する。
平成○○年〇〇月 日
事業場所在地 ○○○○○
証 明 人 ○○○○株式会社
代表取締役
○ ○ ○ ○ 印
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