【No.013(2010.02.09)】
何回目の受験?
1回目
使用した参考書
・電験二種 一次試験完全解答(オーム社)
・電験二種 二次試験標準解答集2009年版(電気書院)
・電験二種 これだけ電力管理 論説編 (電気書院)
・電気計算2009.10月号(電気書院)
・電気計算2009.11月号(電気書院)
受験体験記
電験二種一次試験完全解答(オーム社)を購入し、電験三種の復習も含め、問題集を3~4周解きました。当初、電験三種では考えられないほど、専門的でマニアックな問題に驚き、受験を断念しようと思ったこともありました。
そして一次試験当日5時半に起床し、受験票とチョコレートが鞄に入っているか確認し、試験会場に向かいました。試験前日は三種受験時と同様に、なぜか眠りが浅かったのを覚えています。
最初の理論科目では、眠っている頭を必死に起こしながら、短い制限時間の中ぎりぎりまで電卓を叩きました。次の電力・機械科目では計算問題がほとんどなく、マークシートの記入ミスがないかを確認する余裕がありました。そして、最後の法規科目では、問題が配布されているにも関わらず、それに気づかず開始10分間机に突っ伏していたのを覚えています。おそらく、昼食を採りすぎたのと、前日の眠りが浅かったせいでしょう。
一次試験の受験日の二日後に、試験センターから標準解答が発表され、全科目60点に達していることを知りました。チョコレートとマークシート見直しの効果が出たものと思われます。
[二次試験 準備]
一次試験の合格発表を待ってからでは、二次試験の準備は間に合いません。特に、短期決戦を望む私にとって、空白の一ヶ月半は捨てることができない貴重な時間です。
一次試験が合格ラインに達していることが分かっているため、すぐに電験二種二次試験標準解答集2009年版(電気書院)を購入しました。初めて見る二次試験の問題の印象は、以下のようなものでした。
①似たような問題がほとんどない
②実務的な問題が1~2問出題
③電力・管理科目は論説問題50%、計算問題50%
④機械・制御科目は計算問題が90%
⑤設問に対して一から回答を作成
最初の一ヶ月は本当に苦労しました。問題が分からない上に記述ができないため、自分が何も分かっていないことを思い知らされました。そこで、分からない問題に何時間もにらめっこしていても意味がないと思い、答えにざっと目を通し、その後フィーリングで書いてみる作戦を立てました。
これが思ったよりも効果があり、一次試験の合格発表日までに過去問(計算問題のみ)を2周することができました。これだけでも自信になったのですが、不安材料を取り除くために、電気計算(電気書院)の二次試験用問題を解きました(問題が難しすぎたため、結果的にあまり役に立ちませんでした)。
[二次試験 試験日]
三ヶ月の準備期間は私にとって長く、モチベーションの維持が大変でした。試験日が近づくにつれて『怖い』というよりも、『早く試験を受けたい』という気持ちの方が強くなりました。
迎えた試験当日。前日は一次試験前夜と同じように眠りが浅かったのを、昨日のことのように覚えています。しかし、後戻りはできません。電験の特徴は、一年に一度しか試験が実施されず、また受験のチャンスは一次試験合格後、わずか2回しかないことです。試験開始直前にチョコレートを口に入れ、簡単な問題が出題されることを祈りました。
試験官の「試験を開始して下さい」の合図とともに、電力・管理科目の問題冊子を開きました。が、解けそうな問題が一問もない!流量が与えられていない水車出力の問題に、コンデンサ設置前後の線間電圧・損失計算、…、背後電圧(なにそれ?)を1[p.u.]とする、と書かれた短絡電流計算の問題など、所見ではどれも難易度が高そうに見えました。
しかし、3回ほど問題を読んでみると、単純に考えれば解けそうな問題が三問(上で紹介した問題)あることに気づき、早速取り掛かりました。そして、残り時間30分ほどで三問の回答が終わり、『時間が余ったから、もう一問手を出そう』と思いました。
しかし、これが大きなミスでした。なんと、ここまで見直しをしていません!電力・管理科目終了後、二箇所致命的なミスに気付き、見直し作業を怠ったことに非常に後悔しました。おそらく、これで約30点の損失が出たものと思われます。残り時間30分で、「もう一問」などと余計な欲を出さなければ…、見直しに時間を当てていれば…。
午前のミスが気に掛かる中、鬼門といわれている機械・制御科目が始まりました。あれ?誘導機の計算が変だぞ。変圧器の並行運転問題が簡単そうに見える、パワエレは無視、自動制御が見たことない形をしているし、小問の数が多い…。
一番に手を付けたのは、勉強時間の多くを割いた自動制御でした。変な形を無視すれば、いたって普通の伝達関数計算なので、絶対に得点しなければ!と気合が入りました。しかし、小問(3)の制御系の安定条件に、K1とK2の両方が入っていることが不安になり、自動制御を放棄して変圧器の平行運転問題に取り掛かりました。
ここで残り時間が約30分程度で、目標の50%も回答できていません。変圧器の小問(1)を乱暴に回答し、(2)はよく分からない…。そして残り15分となり、ここで自動制御に戻ることを決心しました。安定条件にK1とK2が入っても気にせず回答を続けました。最後の小問(5)の論説問題は、分かる訳がありませんので、無理やり書き殴りました。
ここで残り時間が2分となり、見直しをすることもなく静かに終了を待ちました。どうでも良 いことですが、私の回答用紙を回収している試験官の姿がとても印象的で、まるで「本日はお疲れ様でした」とでも言っているように感じられました。
[試験終了後]
自宅に帰るなり、持ち帰った問題冊子を開き、再度計算を行いました。自分が回答用紙に書いた答えと違った計算結果が出ると、信じられなくて何度もやり直しました。
自分はどうしてこんなミスをしたのだろう、こんな単純なことに気付かなかったのだろう、回収された回答用紙を取り戻したい気持ちになりました。試験日の夜は悔しくて眠れませんでした。因みに、自分の得点予想(甘く見積もって)は、電力・管理科目が55点で、機械・制御科目は30点でした。
[合格発表]
合格発表までの二ヶ月間は、だらだらとした日々を過ごしました。試験のことは落ちたものだと考えて、早く忘れるように努力しました。
そして合格発表日。試験センターのHPで自分の受験番号を入力し、『嬉しいフレーズ』が表示されたとき、心底驚きました。プレス資料をみると、想像以上に合格点調整(93点)が行われており、そのおかげで運良く合格することができたものと思われます。しかし、何故合格できたのかは分かりません。
あんな回答用紙で本当に良かったのか疑問が残りますし、どこで得点が生じたのか理解できません。でも、これが資格試験の面白さかもしれません。
[最後に…]
今後、目標としている電験一種を記念受験する予定です。そして、辛いときや行き詰ったときに、活力をいただいたこちらのHPに、再び合格体験記を投稿することができればと思っております。
長くなりましたが、受験に際し多くのアドバイスを下さった方、本投稿をご閲覧下さった方に感謝いたします。また、これから電験二種を受験される方にとって、本投稿が少しでもお役に立てれば幸いに存じます。
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