電気技術者の部屋+(プラス) › フォーラム › 電験1種 › 三相の電圧は50Hz200Vですが60Hzでは幾つ
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鹿の骨ゲスト
電験一種板に貼る記事として甚だ疑問ですが、何も書かれないというのも寂しい話です。
枯れ木も山の賑わい程度でお願いします。三相の電圧は50Hz200Vですが60Hzでは幾つという話です。
誘導電動機の定格電圧値を見ると次のように書かれています。200/200/220V 50/60/60Hz
または 400/400/440V 50/60/60Hz200V級も400V級も同様に60Hzでは二種類の電圧が書かれています。(50Hz値も含めて三重定格と言う)
「何これ?」と普通は思うはずです。
今回はその謎に迫ってみたいと思います。三相誘導電動機に於いて電圧とトルクの関係は下記になります。
「周波数が一定な場合トルクは電圧の二乗に比例する。」
電圧が2倍になればトルクは4倍に、電圧が半分になればトルクは1/4倍になります。
(トルクは始動トルク、プルアップトルク、停動トルク、定格トルク等が在るが総ての領域に於いてこの関係式が成り立つ。)
次に周波数が変化した場合です。
「電圧が一定の場合トルクは周波数の二乗に反比例する。」
周波数が2倍になればトルクは1/4になり半分になれば4倍になります。仮に始動トルク(滑り=100%)を検討してみると・・・
電圧が200Vで同じなら60Hz時の電動機は50Hz時の電動機に対して、
60Hz時の始動トルク=50Hz時の始動トルク×1/1.2×1/1.2倍=1/1.44倍≒0.6944倍
になります。(50Hz:60Hz=1:1.2)
同じ始動トルクを得ようとすれば60Hz時の電圧は200Vの1.2倍=240Vにする必要が有ります。
(始動トルクは電圧の二乗に比例するので1.2倍の電圧にすると始動トルクは1.2×1.2=1.44倍になる。)
始動トルクに限った話をしましたが、これはトルク特性総ての領域において同じことが言えます。←重要!ところで、60Hz時の定格回転数は50Hz時の1.2倍に自動的になるので、この電圧(1.2倍の電圧)で定格回転まで回ってしまうと軸出力が1.2倍になってしまいます。
(軸出力[W]=トルク[N]×角速度(rad)の関係がある。50Hz:60Hz=1:1.2)
「50Hz時と60Hz時で同じ軸出力」になる為には60Hz時のトルクが50Hz時の1/1.2倍になっている必要があります。
つまり電圧を1.2倍では無く√1.2倍にしておくと周波数で減る分と電圧で増える分が相殺されます。
√1.2=1.095445ですが≒1.1に置き換えると60Hz時では電源電圧は50Hz時の1.1倍の220V程度にしておくと両周波数時の軸出力が揃うことになります。
周波数が1.2倍でトルクが1/1.44倍、電圧が√1.2倍でトルクが1.2倍、回転数が周波数の比で1.2倍、で1/1.44×1.2×1.2=1.00倍となります。
ですから50Hz時では200Vで60Hz時では220Vという定格が出来たのだと邪推します。
(此処までで二重定格になるが残りの1つは何だ?)60Hz且つ200Vで回したらどうなるのか?
何も考えずに回せばトルクが1/1.44倍になってトルク不足になる・・・のか?
実は誘導電動機と言うのは定格滑りが数%です。
最近の機器では3%程度が一般的です。
また定格滑り付近では「滑りとトルクは比例する」特性になっています。
つまり定格3%の機器が6%滑り時にはトルクが定格時の2倍になるという事です。
この特性を利用すると滑りが1.44倍になれば定格トルクが出るという事になります。
仮に定格滑りが3%の場合1.44倍の滑りは3×1.44=4.32%となります。
滑り3%時の回転数は仮に4極機の場合1800rpm×(100-3)/100%=1746rpmです。
同様に4.32%時は1800rpm×(100-4.32)/100%≒1722rpmです。
1746rpmと1722rpmの違いをどう捉えるか?
事実上同じじゃん!・・・となる筈・・・多分?
だから知らん顔して滑りを少し増やして対処しているのだと勝手に思っています・・・本当かなぁ~?ところで電動機では無くて変圧器の話を少し
200V級汎用普通高圧/低圧変圧器の定格は下記のようになっています。
三相P6600V/S210V/50Hz/60Hz
50Hzと60Hzで変圧比は変わりません。
ところが400V級になると下記のようになります。
三相 P6600V/S420V/50Hz P6600V/S440V/60Hz
50Hzと60Hzで二次電圧が違います。
何で?
誰か詳しい方がいらっしゃいましたら何故こうなったかを教えてください。 -
鹿の骨ゲスト
オマケみたいな感じで書いて於きます。
配電用汎用変圧器の単相100V級及び三相200V級の標準電圧は50Hz60Hz各々共通で下記の様になっています。単相三線式210V/105V〇〇kVA(〇〇は容量)
三相三線式210V〇〇kVA余談ながら書いて於きますが一般的に汎用三相誘導電動機は同一の電動機を50Hz60Hzで共有できますが、変圧器は50Hz60Hzで各々専用です。
共有は出来ませんので注意して下さい。さてこの変圧器の電圧ですが何故二次側の電圧が標準電圧の5%増しになっているのか?という話です。
電源を供給される機器側から見て電源電圧が「定格電圧±10%以下(JIS規格の場合)」で動作するように機器は作られています。
100V級でしたら90~110Vの電圧です。
200V級でしたら180~220Vです。
100V級を例にとってもう少し説明します。
100V機器の銘板には「定格電圧100V」と書かれている筈です。
つまりコンセントにプラグを挿して使用する場合そのコンセントには100Vの電圧が来ていないと困る訳です。
ところが送り出す変圧器の定格電圧は105Vで5%のオマケが付いています。
何で?という事です。この105Vという値ですが、変圧器が無負荷状態の時の端子電圧です。
定格負荷時(定格容量定格力率)の電圧では無いことに留意して下さい。
仮に変圧器の一次側電圧が都合よく6600V(一時側電圧は年中変化している)だった時に当然の様に低圧側端子電圧は105Vになります。
更に二次側に接続される負荷が非常に小さい場合、100kVA変圧器に対して100Wの負荷(1/1000)しか繋がっていない場合などを考察します。
(夜間無人になる事務所ビル等で消防法上の誘導灯以外の負荷が無い場合などが考えられる。)
この時の負荷端電圧は100Vでは無く105Vです。
次に変圧器が定格イッパイで動作している場合を考えます。
変圧器も電気機器ですから当然の様に内部で電圧降下が起きます。
△V=負荷電流I×内部インピーダンスR+jXL のまんまです。
この値が概ね5%です。(説明略)
従って全負荷時の変圧器二次端子電圧は 105V-100Vの5%=100V となります。
更に負荷端の電圧は低圧幹線(3%)及び分岐回路(2%)の電圧降下が加算されますので更に5%落ちます(内線規程で決まっている)。
都合5%+5%=10%の電圧降下が起きて負荷端の電圧は95Vになります。
つまり一日を通して負荷には95V~105Vの電圧が届きますので電圧は常に変化しています。
この電圧の変化って余裕が有るのでは内科医?・・・では無い!更に追い打ちを掛ける様に電圧が変わります。
上の説明文で「一次側電圧が都合よく6600Vだった時」と書きましたが当然の様に一次側普通高圧の電圧も変化しています。
普通高圧配電線の電圧が実際幾つになっているかは場所場所に依ってバラバラですが、亘長が長い高圧配電線の末端等は電圧の変化が大きくなります。
送り出しの地域変電所内の特別高圧/普通高圧配電用変圧器はLRT(負荷時タップ切替変圧器)が使われていて送り出し電圧の変化が大きくならないように調整しています。
しかし、配電線末端は地域変電所からは制御できません。
昼間は負荷増で電圧が下がり夜間はフェランティ効果で電圧が上がります。
つまり一次側普通高圧の電圧も一定ではありません。
亘長が非常に長い場合などは配電線の途中にSVR(StepVoltageRegulator)を設置して電圧を補償する等色々やっています。とか色々やって何とか負荷端の電圧が定格許容電圧変化から外れないようにした結果が「5%のオマケが丁度良い」という事なのでしょう。
尚許容電圧変化が±10%と言うのは日本国内の話で国境の外側では±20%が普通です。以上
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