【エネルギー管理士】(熱)合格体験記 はむぞー様

エネルギー管理士(熱)

【No.032(2024.08.06)】

何回目の受験ですか?

 1回目

使用した参考書

①過去問題集:2024年版 エネルギー管理士 熱分野 模範解答集(電気書院)
②エネルギー管理士試験講座Ⅰ   電気/熱分野共通(省エネセンター)
③エネルギー管理士試験講座Ⅰ~Ⅳ 熱分野(省エネセンター)

熱分野に限らず電気分野においても出題範囲が狭く過去問を踏襲した試験であるため、受験分野と自身の専攻分野が一致していれば、基本的に①の過去問題集だけでも合格ラインに達することができると思いますが、熱分野は専門外(電気科卒)であったため専門書として③を揃えました。これは買って正解でした。
②は、R5年に法改正があったという事で最新の法規を知るために買いましたが、課目Ⅰは法令以外の社会情勢や基本知識がしっかり取れれば合格ラインに達すると思うので買わなくて良かったかもしれません。

受験体験記

〇学習期間:約3カ月(300時間程度)
 出題範囲が狭く過去問を踏襲した試験であることは分かっていたため、過去問を全課目2周以上は回して出題傾向を掴み、自分に足りない分野を補い続けるという勉強方法で挑みました。課目Ⅱの熱力学が鬼門でしたので、この分野については過去問だけでなくセンター公式のテキスト(参考書②)も併用し、むしろ課目Ⅱだけでも合格するつもりで重点を置いて進めていきました。

〇試験結果 課目Ⅰ:95%/課目Ⅱ:86%/課目Ⅲ:91%/課目Ⅳ:79%

 実は今回が初めての受験ではなく、10年前に電気分野で合格しており既に免状も持っていたのですが、「熱分野(旧熱管理士)」の免状があるとボイラー関係などの他資格の受験資格になるため今回受験を致しました。つきましては、どちらの分野で受けるか悩んでいる方向けに記したいと思います。

この結論としては、
・電気技術者として電気をもっと学びたい方や今後電験2種等の上位資格を目指していきたい方、また強電分野や数学、物理が得意な方は「電気分野」
・電気に限らずプラントに関する知識を幅広く学びたい方や暗記が得意な方、また電験3種は取ったけどその先に進む予定がない方は「熱分野」
が良いのではないかと思います。

 基本的には自身の専攻と一致する分野を選ぶことをお勧めしますが、電気科卒であっても「熱分野」での受験も同じくらいにお勧めできます。その理由としては、エネルギー管理士試験の電気分野を目指す方は、電験3種に合格して来られた方がほとんどだと思いますが、この熱分野もまた電験と出題範囲がかなり被っており、それをもうある程度習得している方々であるという点です。

 熱分野の熱力学に出るランキン、ブレイントンサイクルや発電用ボイラー、蒸気発電プラントを構成する機器の概要は火力発電の分野で学んでおり予備知識がありますし、流体力学で出てくるベルヌーイの定理や水撃現象も水力発電でしっかり学びます。また送風機やポンプ、キャビテーションに関する知識も水車の話そのものですし、システム制御も確実に出題されますが電気分野や電験2種で出るものと比べるとずいぶんと平易で基本的な知識しか問われず、貴重な得点源となります。そのほか熱電対などの熱利用プラントの計装関係の知識も出ますが、電気科の方が有利ではないかと感じるほどでした。

 また熱分野の方が計算問題の量やその難易度が低く、微分や積分の考え方までしなければならないのは課目Ⅱの熱力学の一部くらいであり、それ以外は四則演算的な考え方で済んでしまいます。また機械分野~化学分野の範囲が幅広く出るため、深い知識を問われることもありません。こういった面から見ても、巷で言われる「熱分野の方が簡単」というのは恐らく本当なのだと感じます。

これまで電気一本で進んできた私にとっては、熱、圧力や化学などの異分野へ飛び込み視野を広げることができた貴重な経験でしたので、特にこだわりの無い方には「熱分野」をお勧めしたいと思います。

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